現在のラボ:千葉中央
○ヒトパピローマウイルス(HPV)ジェノタイプ判定
項目コード:A017 2
-
-
検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
-
-
ヒトパピローマウイルス(HPV)ジェノタイプ判定
5F101-1405-076-898 -
子宮頸部
- V41
-
(28日)
- 4~6
-
2000
※7
- PCR-rSSO法
- 陰性
-
ヒトパピローマウイルス(HPV)ジェノタイプ判定
備考
&1
検出可能な型は16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68型です。本検査はあらかじめ組織診断によりCIN1またはCIN2と診断された患者から採取された検体を専用容器V41でご提出ください。本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。他項目との重複依頼は避けてください。
[K968 7]細胞診(婦人科LBC)または[L455 5]細胞診(婦人科LBC ベセスダシステム)との同時依頼のみ可能ですが、その際、細胞診の所要日数が1~2日遅れます。
診療報酬
D023(25)
HPVジェノタイプ判定
微生物学的検査判断料150点
- ア 「HPVジェノタイプ判定」は、あらかじめ行われた組織診断の結果、CIN1又はCIN2と判定された患者に対し、治療方針の決定を目的として、ハイリスク型HPVのそれぞれの有無を確認した場合に算定する。
イ 「HPVジェノタイプ判定」は、「HPV核酸検出」及び「HPV核酸検出(簡易ジェノタイプ判定)」の施設基準を届け出ている保険医療機関のみ算定できる。
ウ 当該検査を算定するに当たっては、あらかじめ行われた組織診断の実施日及び組織診断の結果、CIN1又はCIN2のいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
エ 同一の患者について、「HPVジェノタイプ判定」を2回目以降行う場合は、当該検査の前回実施日を上記に併せて記載する。
容器
V41 旧容器記号 f6
内容:メタノール55%
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年6ヵ月
補足情報
V41 (旧容器記号 f6) 検体取り扱い方法
採取方法
- 子宮頸部の細胞を採取する
綿棒以外の採取器具 (ブラシ、スパーテル) を用いて細胞を採取してください。
- 細胞を洗い落とす
採取器具を容器に入れ、容器の底で採取器具の先端が広がるように 10回程度押し付けた後、強くかき回して採取した細胞を洗い落としてください。
- しっかりフタを閉める
採取器具を取り出し、蓋の黒いラインが容器本体の黒いラインを左に超えるように、 しっかり蓋を閉め、室温保存してください。
(注) 採取器具の先端は容器に残さないでください。
[ご注意]
妊婦より細胞を採取する場合は、安全性を考慮し、ブラシ、スパーテル等などの採取器具の使用は避け、綿棒を使用してください。
ただし、綿棒で検査に必要な細胞量を採取するために、採取前に別の綿棒で粘液を除去し、
採取に使用した綿棒を保存液中で充分にすすぎ、採取した細胞を洗い落としてください。
容器には綿棒の先端を残さないで室温保存してください。
また、綿棒では無理な力がかかりますと折れる可能性がありますので充分にご注意ください。
臨床意義
HPVは、DNAの塩基配列の相同性により現在までに100種類以上に分類される。中でもハイリスク型に分類されるHPV DNAは子宮頸癌発生の予測因子として位置づけられ、子宮頸癌からは16、18型が高頻度に、高度異形成からは31、33、35、52、58型などが検出される。
本検査は13種類のハイリスク型HPV DNAのジェノタイプを検査することが可能であり、前癌病変である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)における型別に応じた治療方針の決定をはじめ、持続感染の判断、外科的治療後の残存病変の有無の確認、治療時における定期的なモニタリング等に有用である。
異常値を示す病態・疾患
適応疾患
HPV感染症, 子宮頸癌
参考文献
測定法文献
尾崎 聡 他:臨床病理 60(7):621~626,2012.
臨床意義文献
Matsumoto Koji et al:International Journal of Cancer 128(12):2898~2910,2011.