現在のラボ:札幌ミライラボ
○HIV-1/2特異抗体
項目コード:729402 / 4896
-
-
検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
-
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HIV-1/2特異抗体
5F560-1430-023-190 -
血清
0.5 -
S09
↓
A00 -
(7日)
- 3~6
-
660
※6
-
イムノクロマト法
検体中の抗原または抗体と、金コロイド粒子などで標識させた標識抗体または標識抗原が、メンブレンフィルター上を免疫複合体を形成しながら移動し、メンブレンフィルター上にあらかじめ固定化された抗体または抗原で免疫複合体が補足され、呈色し、目視などで結果判定する検出法。
- 陰性
-
HIV-1/2特異抗体
備考
&1
他項目との重複依頼は避けてください。確認検査(イムノクロマト法)をご依頼の際には、改めて採血しご提出ください。
診療報酬
D012(63)
HIV-1特異抗体・HIV-2特異抗体
免疫学的検査判断料144点
- 「HIV-1特異抗体・HIV-2特異抗体」は、スクリーニング検査としての「HIV-1,2抗体定性」若しくは「HIV-1,2抗体半定量」、「HIV-1,2抗原・抗体同時測定定性」、「HIV-1抗体」、「HIV-1,2抗体定量」又は「HIV-1,2抗原・抗体同時測定定量」によって陽性が確認された症例について、確定診断を目的として、全血、血清又は血漿を検体とし、イムノクロマト法により測定した場合に算定する。なお、本検査を実施した場合、「HIV-1抗体(ウエスタンブロット法)」及び「HIV-2抗体(ウエスタンブロット法)」は、別に算定できない。
容器
S09 旧容器記号 C1 1 セ X1
分離剤入り (真空採血量9mL)
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年
A00 旧容器記号 X
ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
補足情報
HIV検査手順
抗体確認検査法 | 総合判定 | |||
---|---|---|---|---|
HIV-1核酸増幅検査法 | ||||
HIV-1 | HIV-2 | 判定 | 陽性あるいは検出感度未満 | 検出せず |
陽性 | 陽性 ② | HIV-1,2感染 | HIV-1およびHIV-2重複感染 | HIV-1(治療中) ③・HIV-2感染 |
判定保留 | HIV-1感染 | HIV-1感染 | HIV-1感染 (治療中) ③ | |
陰性 | HIV-1感染 | HIV-1感染 | HIV-1感染 (治療中) ③ | |
判定保留 | 陽性 ② | HIV-2感染 | 急性HIVおよびHIV-2重複感染 | HIV-2感染 |
判定保留 | HIV-1,2判定保留 | 急性HIV-1感染 | HIV-1,2判定保留(2週間後再検査) | |
陰性 | HIV-1判定保留 | 急性HIV-1感染 | HIV-1判定保留(2週間後再検査) | |
陰性 | 陽性 ② | HIV-2感染 | 急性HIVおよびHIV-2重複感染 | HIV-2感染 |
判定保留 | HIV-2判定保留 | 急性HIV-1感染 | HIV-2判定保留(2週間後再検査) | |
陰性 | HIV陰性 | 急性HIV-1感染 | HIV非感染 ④ |
- ① 感染リスクがない場合は非感染と判定されますが、 感染リスクがある場合または不明の場合は数週間後に再度スクリーニング検査を実施してください。
- ② HIV-2核酸増幅検査法は保険収載されていないため、専門機関に相談してください。
- ③ HIV-1治療中または低ウイルス量感染が考えられます。
- ④ 感染リスクがある場合または不明の場合は、数週間後に再検査を実施してください。
抗体確認検査法の解釈
● HIV-1/2 抗体確認検査法 (IC法)
HIV-1/2感染の確認検査に用います。
抗原抗体同時スクリーニング検査法が陽性で、本法が陰性または判定保留であり、
HIV-1 RNA定量 (リアルタイムPCR法) が検出される場合は、急性HIV-1感染期と考えられる。
このようなHIV-1 NAT法の単独陽性で確定診断した場合は、
後日、適切な時期 (2週間後以降) に本法により陽性を確認する必要があります。
<測定結果>
【HIV-1陽性】 | p31・gp160・p24・gp41のいずれかが反応し、gp160又はgp41のいずれかを含む2項目以上の反応が認められる。 |
【HIV-1陰性】 | p31・gp160・p24・gp41のいずれも反応も認められない。 |
【HIV-1判定保留】 | 陽性及び陰性でない場合。 |
【HIV-2陽性】 | gp36・gp140のいずれも反応が認められる。 |
【HIV-2陰性】 | gp36・gp140のいずれも反応が認められない。 |
【HIV-2判定保留】 | 陽性及び陰性でない場合。 |
HIV-1核酸増幅検査の解釈
● HIV-1 RNA定量 (リアルタイムPCR法)
HIV-1感染の確認検査、病態の進展、治療開始時期の決定および治療の経過観察等に用います。
<測定結果>
【検出せず】 | HIV-1RNAを検出しませんでした。 ただし、HIVの存在を否定するものではありません。 臨床症状や他の検査結果などと併せて総合的に判断してください。 |
【測定範囲】 | 2.0×101未満、2.0×101~1.0×107 コピー/mL |
臨床意義
HIVはAIDS(後天性免疫不全症候群)発症の原因ウイルスで、持続感染の末に宿主の免疫システムを破壊し免疫不全を引き起こすことが知られています。その結果、発熱、疲労感、体重減少及びリンパ節腫脹等の全身症状に始まり、機能不全を主とした細胞性免疫不全を基調とし、原虫、真菌、ウイルス、細菌などによる日和見感染あるいはカポジ肉腫のような悪性腫瘍を合併します。
本項目は日本エイズ学会・日本臨床検査医学会の標準推奨法(参考文献参照)で、HIV-1/2スクリーニング検査で陽性または判定保留となった場合に実施する抗体確認検査法です。
従来のウエスタンブロット(WB)法による抗体確認検査法では低い感度や交差反応による判定困難な事例が知られ、本項目で検出感度の改善およびHIV-1とHIV-2同時測定が可能となり、HIV抗体確認検査として有用です。
参考文献
測定法文献
Kondo M, et al:PLOS ONE 13(10) e0198924:1~10, 2018.
臨床意義文献
日本エイズ学会・日本臨床検査医学会:診療における HIV-1/2感染症の診断ガイドライン2020版
Moon H-W, et al:PLOS ONE 10(9) e0139169:1~7, 2015.