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○腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出
項目コード:B877 7
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検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
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腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出
6B643-0000-050-862 -
分泌物
- V50
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(28日)
- 2~4
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350
※7
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PCR(リアルタイムPCR)
リアルタイムPCR
PCR法を基本原理とする核酸増幅法の一種であり,分解により蛍光を発するオリゴヌクレオチドを利用することにより,PCRサイクルごとに蛍光シグナルを確認することでリアルタイムにターゲット核酸の定量が可能となる測定方法。 - 陰性
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腟トリコモナスおよびマイコプラズマジェニタリウム同時核酸検出
備考
&1
凍結保存は避けてください。他項目との重複依頼は避けてください。
分泌物,部分尿:検体に大量の血液が混入した場合は、正しい結果が得られないことがあります。
男性の場合、PCR反応阻害物質の影響が稀に認められる場合がありますので、尿検体での検査をお勧めいたします。尿検体は最後の排尿から1時間以上経過後に初尿を採取してください。
本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
[6454 2] 淋菌およびクラミジアトラコマチスDNA同時同定、 [2655 0] 淋菌DNA、 [2582 1] クラミジアトラコマティスDNAとの同時依頼のみ可能です。
診療報酬
D023(12)
腟トリコモナス及びマイコプラズマ・ジェニタリウム同時核酸検出
微生物学的検査判断料150点
- 「腟トリコモナス及びマイコプラズマ・ジェニタリウム核酸同時検出」は、以下のいずれかに該当する場合であって、リアルタイムPCR法により測定した場合に算定する。
ア 腟トリコモナス感染症を疑う患者であって、鏡検が陰性又は実施できないもの若しくはマイコプラズマ・ジェニタリウム感染症を疑う患者に対して、治療法の選択を目的として行った場合。
イ 腟トリコモナス感染症又はマイコプラズマ・ジェニタリウム感染症の患者に対して、治療効果判定を目的として実施した場合。
容器
V50 旧容器記号 F3
内容:グアニジン塩酸塩
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年
補足情報
V50 (旧容器記号 F3) 検体取り扱い方法
採取方法 (分泌物)
- スワブ検体採取セット附属のドライスワブで子宮頸管とその周辺部の過剰な粘液を充分拭い取ります。このスワブは廃棄します。
- 附属のフロックスワブを子宮頸管内に挿入します。
同じ方向に5回そっとスワブを回し、腟の粘液に触れないように注意してスワブを引き抜きます。
- 専用容器のキャップを開け、採取したフロックスワブの先端が容器内の溶液に浸からないように注意しながら入れ、
柄につけられた線を容器の縁に合わせます。
- 専用容器の縁を利用してフロックスワブの柄につけられた線で折り入れ、
手元に残った折られた柄は廃棄します。
専用容器のキャップをしっかり閉め、室温保存で提出してください。
臨床意義
腟トリコモナス (Trichomonas vaginalis:TV) の原虫による感染症は、感染率の地域差が大きいものの、感染者数が世界で最も多い性感染症であることが知られています。女性では主に腟炎、男性では尿道炎などの症状で、症状が強いものから無症状まで多様な臨床像を示し、無症状のパートナーからの性感染によるものが少なくありません。
マイコプラズマジェニタリウム (Mycoplasma genitalium:MG) の細菌による感染症は、淋菌およびクラミジアトラコマチス以外の性感染症として認知されつつあります。男性では主に尿道炎、女性では子宮頸管炎などの症状で、自覚症状が非常に強いものから軽微、あるいは無症状まで多岐にわたります。
両感染症共に、従来の塗抹鏡検および分離培養では検出困難な場合が多く、核酸増幅法による高感度で迅速、かつ保険算定可能な検査が求められていました。
本項目は、TVおよびMG感染症の診断補助を目的として新規保険収載された同時核酸検出検査です。淋菌およびクラミジア以外の性感染症分野の検査としてご活用ください。
異常値を示す病態・疾患
関連疾患
性感染症、腟トリコモナス症、非クラミジア非淋菌性尿道炎
参考文献
測定法文献
Van Der Pol B, et al:JCM 59(10):e00264-21,2021. (腟トリコモナス)
Van Der Pol B, et al:JCM 58(6):e02124-19,2020. (マイコプラズマジェニタリウム)
臨床意義文献
日本性感染症学会:性感染症 診断・治療ガイドライン 2020.