現在のラボ:横浜ラボ

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項目コード:
検査項目
JLAC10
FISH(Fluorescence in situ hybridization)
蛍光 in situ ハイブリダイゼーション
蛍光色素で標識したプローブを用いて標的DNAとハイブリダイゼーションを行い,特定の波長で発色させた蛍光部位を染色体上のシグナルとして蛍光顕微鏡下で検出する方法。
蛍光色素で標識したプローブと標的DNAを直接結合させる直接法と,標識物質で標識したプローブと標的DNAを結合させた後に,標識プローブと蛍光物質を結合させて発色させる間接法がある。
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凍結保存は避けてください。受託可能日は月~金曜日です。主な対象疾患は,ユーイング肉腫,P-NETです。
染色体検査のご提出について 検体は採取後,当日中にご提出ください。
組織5×5×5mmを指定の容器に浮遊させ,冷蔵保存してください。
検体は採取後,当日中にご提出ください。
D006-5(01)
染色体検査(全ての費用を含む)FISH法を用いた場合
遺伝子関連・染色体検査判断料100点
保存液入り (容器容量5mL)
内容:RPMI-1640 FBS 硫酸カナマイシン ノボヘパリンNa 炭酸水素Na HEPES
貯蔵方法:凍結
有効期間:色が薄いピンクの状態で使用してください。
(凍結時は淡黄色ですが解凍すると薄いピンク色に戻ります。)
検査項目 | 主な対象疾患 | 主な用途 |
---|---|---|
del (1) 短腕欠失 | 脳腫瘍 | 治療感受性 |
神経芽細胞腫 | 予後推定 | |
MYCN 2p24増幅 | 神経芽細胞腫 | 予後推定 |
del (19) 長腕欠失 | 脳腫瘍 | 治療感受性 |
EWSR1 22q12転座 | ユーイング肉腫 P-NET |
Ewing肉腫/PNET(peripheral primitive neuroectodermal tumor末梢未熟神経外胚葉性腫瘍)の診断確定のための補助検査として有用である。
22q12に座位するEWSR1(Ewing sarcoma breakpoint region1)遺伝子は主に5つのETSファミリ-遺伝子(FLI1,ERG,ETV E1AF)の1つがキメラ遺伝子を形成することが報告されている。中でも一番頻度が高いものはFLI1で、t(11;22)転座により生じるEWSR1-FLI1キメラ遺伝子は腫瘍化に関与するといわれている。
Ewing肉腫とPNETは、以前は異なる腫瘍として扱われてきたが、現在では共通のキメラ遺伝子の同定によりEwing肉腫/PNET主要として同一の腫瘍群として扱われている。この腫瘍は骨と骨周囲の軟部組織から発生する腫瘍と考えられてきたがキメラ遺伝子の検出からほとんどすべての組織から発生するといわれている。鑑別が必要な疾患としては、小児の骨および骨周囲の軟部組織由来の未分化な腫瘍の小円形細胞腫瘍がある。これらの鑑別には臨床像や病理組織像などがあるが、その一つとしてキメラ遺伝子の証明が用いられる。
本検査では、EWSR1プロ-ブを用いて、22q12領域の転座をスプリットシグナル(黄色→赤、緑)として検出する。転座相手の同定はできない。
測定法文献
稲澤 譲治:臨床FISHプロトコ-ル 阿部達生監修 (秀潤社) 90~95 1997
臨床意義文献
金子 安比古:病理と臨床 20-8-829~836 2002