現在のラボ:中央ラボ

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項目コード:A086 6
検査項目
JLAC10
リアルタイムPCR
PCR法を基本原理とする核酸増幅法の一種であり,分解により蛍光を発するオリゴヌクレオチドを利用することにより,PCRサイクルごとに蛍光シグナルを確認することでリアルタイムにターゲット核酸の定量が可能となる測定方法。
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凍結保存は避けてください。
受託可能日は月~金曜日です。
検体採取後、速やかにご提出ください。他項目との重複依頼は避けてください。本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
造血器腫瘍遺伝子検査のご提出について
検体は採取後、当日中にご提出ください。
骨髄液1.0mLを下図の容器に無菌的に採取し、よく混和させ、冷蔵保存してください。
検体は採取後、当日中にご提出ください。
D006-2
造血器腫瘍遺伝子検査
遺伝子関連・染色体検査判断料100点
保存液入り (容器容量5mL)
内容:RPMI-1640 FBS 硫酸カナマイシン ノボヘパリンNa 炭酸水素Na HEPES
貯蔵方法:凍結
有効期間:色が薄いピンクの状態で使用してください。
(凍結時は淡黄色ですが解凍すると薄いピンク色に戻ります。)
t(9;22)転座は、慢性骨髄性白血病(CML:Chronic myeloid leukemia)やB細胞性の急性リンパ性白血病(ALL:Acute lymphocytic leukemia)、リンパ芽球性リンパ腫(LBL:Lymphoblastic Lymphoma)などで認められる染色体異常で、9番染色体長腕(9q34.1)に座位するABL1遺伝子と、22番染色体長腕(22q11.2)に座位するBCR遺伝子との相互転座によりBCR-ABL1 mRNAが形成される。染色体検査G-band法では相互転座の結果生じた異常22番染色体der(22)t(9;22)が特徴的に認められ、発見された地名にちなんでフィラデルフィア染色体(Ph染色体)と呼ばれる。
BCR遺伝子の切断点はCMLではMajor-BCRと呼ばれる領域で切断され、Major BCR-ABL1遺伝子が形成されることによりp210BCR-ABL1タンパクが産生される。CMLの少数とALL・LBLではminor-BCRと呼ばれる領域で切断され、minor BCR-ABL1遺伝子が形成されることによりp190BCR-ABL1タンパクが産生される。近年、これらの融合タンパクに対する分子標的薬剤チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)が開発され、高い治療効果が報告されている。
なおWHO分類では、骨髄増殖性腫瘍(MPN:Myeloproliferative neoplasms)、急性混合型白血病(Acute leukemias of ambiguous lineage)、B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫(B-lymphoblastic leukemia/lymphoma)にカテゴリー分類されている。なお慢性白血病のうちBCR-ABL1遺伝子が 陽性の場合をCMLとして分類され、CMLに類似した症例でもBCR-ABL1遺伝子が陰性の場合は非定型CML(aCML:Atypical chronic myeloid leukemia)として分類される。
本項目はBCR-ABL1 mRNAをリアルタイムPCR法を用いて定量的に検出する検査で、治療経過のモニタリングなどに有用と考えられる。
測定法文献
飯嶋 健太朗,他:SRL宝函 24(1・2):65~68,2000.
臨床意義文献
Arber DA,Orazi A,Hasserjian R,et al:Blood 127(20):2391~2405,2016.