現在のラボ:横浜ラボ

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項目コード:E876 5
検査項目
JLAC10
FISH(Fluorescence in situ hybridization)
蛍光in situハイブリダイゼーション
蛍光色素で標識したプローブを用いて標的DNAとハイブリダイゼーションを行い、特定の波長で発色させた蛍光部位を染色体上のシグナルとして蛍光顕微鏡下で検出する方法。
蛍光色素で標識したプローブと標的DNAを直接結合させる直接法と、標識物質で標識したプローブと標的DNAを結合させた後に、標識プローブと蛍光物質を結合させて発色させる間接法がある。
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凍結保存は避けてください。受託可能日は月~金曜日です。胃生検材料の場合は、5個以上を下図の容器1本に入れてご提出ください。
●染色体検査のご提出について
検体は採取後、当日中にご提出ください。
リンパ節5×5×5mmを下図の容器に浮遊させ、冷蔵保存してください。
D006-5(01)
染色体検査(全ての費用を含む)FISH法を用いた場合
遺伝子関連・染色体検査判断料100点
保存液入り (容器容量5mL)
内容:RPMI-1640 FBS 硫酸カナマイシン ノボヘパリンNa 炭酸水素Na HEPES
貯蔵方法:凍結
有効期間:色が薄いピンクの状態で使用してください。
(凍結時は淡黄色ですが解凍すると薄いピンク色に戻ります。)
MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫の診断や治療方針決定のための補助的検査として有用である。
18q21に座位するMALT1遺伝子は、アポト-シス制御因子と考えられておりt(11;18)転座によりBIRC3遺伝子とキメラ遺伝子を形成し、それにより形成されたキメラ蛋白が腫瘍化に関係するといわれている。
MALTリンパ腫はMALTに由来するリンパ腫で胃を中心とした消化管や眼窩、甲状腺などの節外臓器に発生するリンパ腫で、その約30%にt(11;18)転座が認められる。
また、最近の報告ではMALTリンパ腫はH.Pyloriの感染により発症するケースとそれ以外の原因で発症するケースがある。前者は除菌療法によりリンパ腫の治癒が見込まれるが、後者では一般的に除菌療法には反応しないとされている。さらに、除菌療法に反応しないMALTリンパ腫の多くでt(11;18)(q21;q21)が確認されるとの報告もあり治療方針の選定にも有用である可能性がある。
BIRC3遺伝子とMALT1遺伝子を挟んだプローブを用いることによりt(11;18)転座を2個の融合シグナルとして検出する。
測定法文献
稲澤 譲治:臨床FISHプロトコール 阿部達生監修(秀潤社):90~95, 1997.
臨床意義文献
吉野 正,他:病理と臨床 21(3):254~258, 2003.