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単純ヘルペスウイルス

  • 検査項目
    JLAC10

    材料
    検体量
    (mL)
    容器
    キャップ
    カラー
    保存
    (安定性)
    所要
    日数
    実施料
    判断料
    検査方法
    基準値
    (単位)
  • 単純ヘルペスウイルス
    5F190-1430-023-141
    速やかに遠心
    血清
    0.3
    S09

    A00
    冷蔵
    4~7

    79
    ※6
    CF(補体結合反応)

    CF(Complement fi xation)
    補体結合反応
    補体が抗原抗体複合体と結合することと溶血反応を引き起こすことを利用した方法。
    赤血球に溶血素を結合した感作赤血球は補体が結合すると溶血を起こすが,抗原抗体複合体が存在すると補体が消費され溶血が阻止されることから,溶血の程度から抗体の存在を判定する。

    4未満(倍)

備考

&E
下記参照(*CF)
*CF(補体結合反応):補体結合反応におきましては抗補体作用がみられ,測定不能になる場合がありますので,抗凝固剤を入れずに採血して速やかに血清分離し冷蔵保存してください。
出発希釈 4倍(髄液の測定も可能です 検体量 0.4mL(冷蔵) 基準値 1倍未満 出発希釈 1倍)

診療報酬

D012(11ヘ)
ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)(ヘルペスウイルス)
免疫学的検査判断料144点

  • ウイルス抗体価(定性・半定量・定量) 下記をご参照ください。

容器

補足情報

臨床意義

単純ヘルペスウイルスは,DNAウイルスで,1型(HSV-1)と2型(HSV-2)の2亜型に分けられている。HSVの特徴は,初感染後体内に持続感染(潜伏感染)することである。初感染の多くは不顕性感染で,顕性,不顕性を問わず初感染後は三叉神経節,仙骨神経節に潜伏感染し,疲労,妊娠,怪我,熱性疾患その他の原因によってウイルスが再活性化されると,口唇周辺や陰部など特定の皮膚部位に水疱を生じる(回帰性ヘルペス)。
HSV感染症の診断法には,ウイルスを直接証明する抗原検査と血清抗体の上昇によって診断する抗体検査とがある。抗原検出法は,ウイルス分離をはじめ,病変部より得た細胞中のHSV抗原を蛍光抗体法(FA)を用いて証明したり,モノクローナル抗体を用いたシェル・バイアル法がありこの方法は特異性が高い。
また遺伝子検査としてin situハイブリダイゼーション,PCRなどによる方法があり,ヘルペス脳炎,新生児ヘルペス感染症などの早期治療により救命率を上げることが期待されている。
抗HSV抗体の測定法として,EIA法は感度が高くまたIgG,IgM抗体の分別測定も可能である。中和法はEIA法に比べ感度的には落ちるが特異性は高い。また中枢神経疾患の場合EIA法のIgG捕捉法が有用であり,その特性から目的に応じて使い分けられる。以上から血清学的検査は,主として初感染の診断に有用であるが,中枢神経感染の診断や感染HSVの型別推定にも応用されている。

異常値を示す病態・疾患

適応疾患

ヘルペス性角結膜炎, ヘルペス性食道炎, 肝炎, 口唇ヘルペス, 新生児ヘルペス, 神経炎, 性器ヘルペス, 脊髄炎, 脳炎, 流産,死産,奇形

参考文献

測定法文献
北村 元仕 他:臨床検査マニュアル (文光堂) 880~886 1988
臨床意義文献
中村 良子:日本臨床 53-増-251~254 1995

関連項目

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