現在のラボ:千葉中央

項目コード:C817 2
検査項目
JLAC10
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乳癌 HER2 タンパク(IHC)4B5 の提出方法
1) 癌細胞の有無が不明な場合もありますので、検査依頼時に病理診断書(コピー)の添付をお願いいたします。(ただし、当社で一般病理検査を実施している場合は不要です。)なお、諸事情により添付できない場合には、依頼書に病理診断名(組織型等)の他、臨床情報等可能な範囲での記載をお願いいたします。
2) 材料は乳癌(原発巣または転移巣)の未染標本スライド(ホルマリン固定パラフィンブロックから作製されたもの)となります。シランなどのコーティングスライドをご使用のうえ、薄切後は約 40℃で一晩乾燥させた後、速やかにご提出ください。高温での乾燥は、60℃で 30 分以内の処理を推奨します。長時間、高温に置くことは避けてください。
3) 脱灰処理を行った検体については、正しい結果が得られないため、ご依頼いただけません。
4) 固定時間は 10%中性緩衝ホルマリンで 6~72 時間以内(生検標本の場合は検体の大きさに準ずる。)が望ましいとされています。
5) 組織は 4μmの厚さに薄切し、なるべく中央に貼り付けてください。
6) パラフィンブロックでご依頼の場合、未染標本スライド作製のため所要日数が遅れますので、営業員へご確認ください。
N002(03)
HER2タンパク〔半定量法又はEIA法(酵素免疫測定法)〕
病理判断料130点
[オブジェクトケース]
プレパラート (スライドグラス)
貯蔵方法:室温
スコア | 乳癌・胃癌HER2病理診断ガイドライン 第2版(2021年4月)染色パターン |
---|---|
0 | 染色像が認められない または、≦10%の腫瘍細胞にかすかな/かろうじて認識できる不完全な膜染色が認められる |
1+ | >10%の腫瘍細胞にかすかな/かろうじて認識できる不完全な膜染色が認められる |
2+ | >10%の腫瘍細胞に弱/中等度の全周性の膜染色が認められる |
3+ | >10%の腫瘍細胞に強い完全な全周性の膜染色が認められる |
HER2検査は乳癌において非常に重要であり、ホルモンレセプター(HR)や腫瘍の状態と組み合わせることでHER2陽性、Luminal、トリプルネガティブなどのサブタイプ分類や薬剤の適応判定補助に用いられます。
2023年3月に抗HER2薬の一つである「トラスツズマブ デルクステカン(商品名:エンハーツ®)」が「化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌」に対して適用拡大されました。
「HER2低発現:HER2-Low」とは、HER2検査の結果において「IHC法1+ または IHC法2+かつISH法陰性」が該当します。
本検査はエンハーツ®のコンパニオン診断薬として承認されたロシュ社「ベンタナ ultraView パスウェーHER2(4B5)」を用いることにより、既存の抗HER2薬に加え、エンハーツ®のHER2低発現乳癌に対する適切な投与を行うための判定の補助として用いることができます。
乳癌
測定法文献
名倉 宏,他:渡辺・中根 酵素抗体法 改訂四版(学際企画):147~150, 2002.
臨床意義文献
Modi S et al:N Engl J Med 387(1):9~20, 2022.