現在のラボ:中央ラボ
○水痘・帯状疱疹ウイルス抗原
項目コード:6824 0
-
-
検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
-
-
水痘・帯状疱疹ウイルス抗原
5F193-1410-094-161 -
塗抹標本
2枚 - V30
-
- 2~4
-
227
※6
-
FA
FA(Fluorescent antibody method)
蛍光抗体法
目的とする抗原に対して,蛍光色素で標識した抗体を用いて抗原抗体反応を行い,蛍光顕微鏡下で蛍光強度を測定する方法。
蛍光色素で標識した抗体を直接反応させる直接法と,抗原に対して抗体を反応させた後,蛍光色素で標識した抗体を2次反応させる間接法がある。 - 陰性
-
水痘・帯状疱疹ウイルス抗原
備考
&1
塗抹標本の採取方法は下記をご参照ください。
診療報酬
D012(51)
水痘ウイルス抗原定性(上皮細胞)
免疫学的検査判断料144点
容器
V30 旧容器記号 W1 I
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年
補足情報
V30 (旧容器記号 W1 I) 検体取り扱い方法
検体の採取方法
病巣基底細胞が多数得られるように採取してください。
早期の水疱病巣が検体として最適です。水疱内容液および膿は、検体として不適当です。
- 滅菌針を用いて、上部の皮あるいは痂皮を剥がします。(図1)
- 病巣を覆っていた上部の皮を、ピンセット等などで除去します。(図2)
- 綿棒を精製水や生理食塩水で軽く湿らせます。
- ウイルス感染細胞は、病巣基底部にありますので、病巣基底部全面を綿棒で強くぬぐいます。(図3)
注意
膿がでている場合には綿棒でまず膿をぬぐい去り、別の綿棒で検体を採取してください。
この時、病巣基底部をかき乱さないよう注意してください。
操作法
検体の塗抹
- 綿棒を回転させながらスライドグラスの2個の円内に塗りつけます。
このとき綿棒は、スライドグラスに平行にして、全表面が触れるように塗抹します。 不均一にならないように注意してください。(図4) - 綿棒をすてる前に検体が均一に広がっているかどうか確認します。
均一になっていれば不透明に見えます。透明に見える部分があれば、そこへ綿棒をあてて再び塗抹します。 - そのまま風乾します。
- 乾燥したスライドグラス上に充分な量 (検体にゆきわたる) のアセトンを添加し、蒸発させます。
- 検体はスライドグラス2枚をご提出ください。
検体の保存
乾燥後のスライドグラスは、塗抹面を下にし、オブジェクトケースに入れ、 検査項目名、病院名、氏名等などを記入後、凍結保存してください。
臨床意義
水痘(varicella)は,水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)感染により引き起こされる発熱と発疹を主症状とする良性の疾患である。
VZVは主に経気道を通して感染し,局所のリンパ組織で増殖したのち肝臓や脾臓に達し,全身に散布される。皮膚に達したVZVは,毛細血管内皮細胞で増殖して水疱を形成し,臨床的に水痘を発症させる。ウイルスは水痘治癒後も脊髄後根神経節および三叉神経節に潜伏感染し,それが後年再活性化すると帯状疱疹(herpes zoster)となる。一般に再罹患水痘やワクチン接種後の自然水痘は軽症である。
血清学的診断法として,CF法で急性期と回復期のペア血清で4倍以上の血清抗体価上昇があれば有意と判定できる。しかし,VZVとHSVとの間には交差反応がみられるので判断は注意を要する。水痘罹患後はEIA法のIgM抗体が有用であり,初感染の反応か再感染の反応か区別ができる。また,ワクチン接種および経過観察などには,EIA法のIgG抗体および,IAHA法が有用である。また抗原検出検査としてウイルス分離,PCR法,シェル・バイアル法,FA法により抗原を検出することが可能である。
異常値を示す病態・疾患
適応疾患
Ramsy-Hunt症候群, Reye症候群, 水痘・帯状疱疹
参考文献
測定法文献
新村 眞人,他:感染症学雑誌 64 (2) :195 ~ 201, 1990.
臨床意義文献
伊藤 正寛 他:臨床と微生物 20-臨増-671~680 1993