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○POT法 (黄色ブドウ球菌)
項目コード:50386A1
備考
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純培養された黄色ブドウ球菌およびMRSAをご提出ください。
補足情報
POT法(黄色ブドウ球菌)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) などによる院内感染は、
分子疫学的解析検査 (POT法) の測定により 感染源・感染ルートの解析が可能となります。
当社におきましては、鮮明な泳動写真をご報告するとともに、
POT型からご依頼いただきました菌の関連性について判定し報告します。
POT法の解析例
菌株番号 | POT型 |
---|---|
1 | 93-136-16 |
2 | 93-221-57 |
3 | 93-221-57 |
4 | 93-217-125 |
5 | 93-209-109 |
6 | 93-221-57 |
7 | 93-221-57 |
8 | 93-221-57 |
9 | 93-217-117 |
10 | 93-221-61 |
同一POT型(3つのPOT値がすべて同一)の分離株は、水平伝播の可能性が疑われます。
臨床意義
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA:Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus) は、医療現場で最も多く検出される薬剤耐性菌です。メチシリンを含むβ-ラクタム系抗菌薬の薬剤耐性化に加え、多くは他の種類の抗菌薬にも耐性化していることが知られています。また、ヒトの皮膚に保菌していることが多く、現在でも院内感染原因菌として脅威となっています。
海外では新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の感染拡大がピークに達した後に、MRSAを含む薬剤耐性菌の院内感染例が有意に増加したことが明らかになっています。COVID-19のパンデミックによって、薬剤耐性菌の感染対策や抗菌薬の適正使用が難しい状況であったことが、薬剤耐性菌の増加の要因とされています。
また、MRSAの感染対策として接触感染予防策が基本となりますが、感染源の特定や感染経路の究明には、同一菌株の伝搬を分離菌株の遺伝子型から解析する分子疫学的解析の実施が有効です。従来からパルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE) 法が用いられておりますが、処理時間が長く手技が煩雑なことから、集団感染時に簡便な方法が求められておりました。
本検査は、再現性が高く短時間で測定可能なPOT法による、MRSAを含む黄色ブドウ球菌の分子疫学的解析です。PFGE法では報告できない泳動バンドの有無を元にした数値 (POT型) により、簡便に菌株・施設間のデータ解析が可能となります。MRSAの院内伝搬を防止するための検査としてご活用ください。
異常値を示す病態・疾患
関連疾患
MRSA感染症, 院内感染症
参考文献
測定法文献
鈴木 匡弘:THE CHEMICAL TIMES 221 (3) :16~21,2011.
臨床意義文献
森山 英彦 他:感染症学雑誌 86 (2) :115~120,2012.
関連項目
- パルスフィールド(MRSA)
- MRSAスクリーニング