現在のラボ:中央ラボ
- TOP
- 遺伝子関連検査
- 造血器腫瘍遺伝子検査
- minor BCR-ABL1 mRNA定性
現在のラボ:中央ラボ
○minor BCR-ABL1 mRNA定性
項目コード:3889 2
-
-
検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
-
-
minor BCR-ABL1 mRNA定性
8C127-9961-019-867 -
血液(EDTA-2Na加)
7.0 - PN7
-
- 6~9
-
2100
※2
-
RT-PCR
RT-PCR(Reverse transcriptase-polymerase chain reaction)
RNA が増幅対象の場合に,RNA を鋳型として逆転写酵素(reversetranscriptase:RT)により相補的なcDNAを合成してPCRを行う方法。 - キメラmRNAを検出せず
-
備考
&1
凍結保存は避けてください。
受託可能日は月~金曜日です。
検体採取後、速やかにご提出ください。他項目との重複依頼は避けてください。本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
造血器腫瘍遺伝子検査のご提出について
検体は採取後、当日中にご提出ください。
下図の容器に採血し、よく混和させ、冷蔵保存してください。
検体は採取後、当日中にご提出ください。
他項目との重複依頼は避けてください。
本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
診療報酬
D006-2
造血器腫瘍遺伝子検査
遺伝子関連・染色体検査判断料100点
- 「悪性腫瘍遺伝子検査」、「造血器腫瘍遺伝子検査」、「免疫関連遺伝子再構成」、「FLT3遺伝子検査」又は「JAK2遺伝子検査」のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。
- 「造血器腫瘍遺伝子検査」は、PCR法、LCR法又はサザンブロット法により行い、月1回を限度として算定できる。
容器
PN7 旧容器記号 A 4
EDTA-2Na入り (真空採血量7mL)
内容:EDTA-2Na 10.5mg
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から2年
補足情報
臨床意義
t(9;22)転座は、慢性骨髄性白血病(CML:Chronic myeloid leukemia)やB細胞性の急性リンパ性白血病(ALL:Acute lymphocytic leukemia)、リンパ芽球性リンパ腫(LBL:Lymphoblastic Lymphoma)などで認められる染色体異常で、9番染色体長腕(9q34.1)に座位するABL1遺伝子と、22番染色体長腕(22q11.2)に座位するBCR遺伝子との相互転座によりBCR-ABL1 mRNAが形成される。染色体検査G-band法では相互転座の結果生じた異常22番染色体der(22)t(9;22)が特徴的に認められ、発見された地名にちなんでフィラデルフィア染色体(Ph染色体)と呼ばれる。
BCR遺伝子の切断点はCMLではMajor-BCRと呼ばれる領域で切断され、Major BCR-ABL1遺伝子が形成されることによりp210BCR-ABL1タンパクが産生される。CMLの少数とALL・LBLではminor-BCRと呼ばれる領域で切断され、minor BCR-ABL1遺伝子が形成されることによりp190BCR-ABL1タンパクが産生される。近年、これらの融合タンパクに対する分子標的薬剤チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)が開発され、高い治療効果が報告されている。
なおWHO分類では、骨髄増殖性腫瘍(MPN:Myeloproliferative neoplasms)、急性混合型白血病(Acute leukemias of ambiguous lineage)、B細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫(B-lymphoblastic leukemia/lymphoma)にカテゴリー分類されている。なお慢性白血病のうちBCR-ABL1遺伝子が 陽性の場合をCMLとして分類され、CMLに類似した症例でもBCR-ABL1遺伝子が陰性の場合は非定型CML(aCML:Atypical chronic myeloid leukemia)として分類される。
本検査においてはBCR-ABL1 mRNAをRT-PCRにより増幅させ、遺伝子レベルで高感度に検出することが可能である。本測定法を用いることで、微少残存白血球細胞(MRD)を高感度に検出することが可能となり(1/100000まで検出可能)、化学療法後の残存白血病細胞・骨髄移植後の治療モニター、および再発のモニターに有用と考えられる。
異常値を示す病態・疾患
適応疾患
ph転座型急性リンパ性白血病(ALL), ph転座型急性骨髄性白血病(AML), ph転座型慢性骨髄性白血病(CML)
参考文献
測定法文献
Kawasaki ES, et al:Proc Natl Acad Sci USA 85(15):5698~5702,1988.
臨床意義文献
溝口 秀昭,他:医学のあゆみ 血液疾患-state of arts-(別):158~161