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○悪性リンパ腫総合解析
「ML-NET」v2
項目コード:00N30 4
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検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
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悪性リンパ腫総合解析
「ML-NET」v2
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組織(生)と
ホルマリン固定組織と
凍結組織
0.5g(10×10×5mm程度)と
0.5g(10×10×5mm程度)と
0.5g(10×10×5mm程度) -
(組織(生))H20
と
(ホルマリン固定組織)VP0
と
(凍結組織)ARR -
(組織(生))
と
(ホルマリン固定組織)
と
(凍結組織)
- *
-
10924
※2、※3、※8
-
(病理組織検査)ヘマトキシリン・エオジン染色、免疫組織化学染色法
(細胞表面マーカー検査)フローサイトメトリー
(染色体G-Banding検査)G-band
(FISH検査)FISH
(遺伝子検査(免疫関連遺伝子再構成))サザンブロットハイブリダイゼーション
-
備考
1
組織(生):凍結保存は避けてください。
受託可能日は、月~金曜日です。
他項目との重複依頼は避けてください。本検査は病理組織検査、細胞表面マーカー検査、染色体G-Banding検査、FISH検査、遺伝子検査(免疫関連遺伝子再構成)を用いた総合解析検査です。
本検査で判定が困難な症例につきましては、当社から追加検査のご確認をさせていただきます。ただし、濾胞性リンパ腫(FL)と判定された場合は、追加検査としてEZH2遺伝子変異解析を実施いたします。
診療報酬
N000(01)+N002(08)+D005(15)+D006-5(03)+D006-5(注1)+D006-5(01)+D006-6
病理組織標本作製(1臓器につき)+その他(1臓器につき)+造血器腫瘍細胞抗原検査(一連につき)+染色体検査(全ての費用を含む。)その他の場合+分染法加算+染色体検査(全ての費用を含む。)FISH法を用いた場合+免疫関連遺伝子再構成
判断料上記参照
容器
H20 旧容器記号 H2
保存液入り (容器容量10mL)
内容:FBS PBS 硫酸カナマイシン
貯蔵方法:凍結
有効期間:製造から1年
VP0 旧容器記号 u5
病理専用容器
10~20%ホルマリン液を充填してお使いください。
貯蔵方法:室温
ARR 旧容器記号 r A
滅菌ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
補足情報
悪性リンパ腫総合解析「ML-NET」v2の提出方法
- 検体は採取後、当日中にご提出ください。
- 組織は無菌的に採取してください。
- 採取した組織は3分割してください。
- 分割した組織 (a) は専用容器 (H20) に無菌的に入れ冷蔵保存してください。
- 分割した組織 (b) は遺伝子検査に使用する場合があるため、 10%中性緩衝ホルマリン液を充填した専用容器 (VP0) に無菌的に入れて固定し室温保存してください。
- 分割した組織 (c) は滅菌ポリスピッツ (ARR) に無菌的に入れ、直ちに凍結保存してください。
悪性リンパ腫総合解析「ML-NET」v2について
- 病理組織検査は、HE、CD3、CD20 (L-26) を実施しています。
- 細胞表面マーカー検査は以下のモノクローナル抗体をCD45-SSCゲーティングのうえ、実施しています。
モノクローナル抗体 - ML-NET FCM悪性リンパ腫解析1
CD2 CD3 CD4 CD5 CD7 CD8 CD10 CD11c CD16 CD19 CD20 CD23 CD25 CD30 CD34 CD56 κ-chain λ-chain - ML-NET FCM悪性リンパ腫解析2
cyCD3 CD13 CD22 CD38 CD79a CD103 TCR-αβ TCR-γδ MPO TdT
- ML-NET FCM悪性リンパ腫解析1
- FISH検査は、ML-NET担当医にて1項目を選択し実施いたします。
(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL) が疑われる場合は、MYC、BCL2、BCL6の3項目を実施することがあります。)
なお、初発で既にDLBCLの診断がされている患者における再発症例などでDLBCLが疑われる場合は、 DLBCL3項目セットをご提出医が選択することも可能です。MYC、BCL2、BCL6の3項目を実施します。 - 遺伝子検査 (免疫関連遺伝子再構成) は、ML-NET担当医にて1項目選択し実施いたします。 検査する遺伝子を指定したい場合は、IGH鎖JH再構成、TCRβ鎖Cβ1再構成のいずれかから1つ選択してください。
- 項目の優先順位について
お預かりした検体の細胞数が少ない場合、全検査が実施できないことがあります。 この場合は、FCM悪性リンパ腫解析1、FCM悪性リンパ腫解析2、FISH検査 (DLBCL 3項目セットの場合は、MYC、BCL2、BCL6)、染色体G-Banding検査の順に検査を実施させていただきます。
本検査で判定が困難な症例につきましては、当社から追加検査のご確認をさせていただきます。 ただし、濾胞性リンパ腫 (FL) と判定された場合は、追加検査としてEZH2遺伝子変異解析を全件実施いたします。
追加検査につきましては別途検査料金をご請求申し上げますので、あらかじめご了承ください。追加項目名称 備考 酵素抗体染色 症例により検査内容が異なります 遺伝子解析検査
(免疫関連遺伝子再構成EZH2遺伝子変異解析 等)染色体検査 (FISH)
悪性リンパ腫総合解析「ML-NET」v2の所要日数と実施料・判断料について
- *所要日数
一次解析検査:9~1314日前後 (症例により遅延する場合があります)
総合解析検査:1ヵ月前後 (症例により遅延する場合があります) - **実施料/判断料
診療報酬名 保険点数 判断料区分 病理組織検査注1 病理組織標本作製
組織切片によるもの (1臓器につき)860点 ※8 免疫染色 (免疫抗体法) 病理組織標本作製
その他 (1臓器につき)400点 細胞表面マーカー検査 血液形態・機能検査
造血器腫瘍細胞抗原検査 (一連につき)1940点 ※3 染色体G-Banding検査 染色体検査 (全ての費用を含む。)
その他の場合2477+397点 ※2 FISH検査注2 染色体検査 (全ての費用を含む。)
FISH法を用いた場合2477点 遺伝子検査注3 免疫遺伝子再構成 2373点 合計 10924点注4
- 注1:病理組織検査:追加検査にて、CD30を実施した場合は400点、ALKを実施した場合は2700点、 また、免疫染色4抗体以上を実施した場合は1200点加算できます。
- 注2:FISH検査:FISH検査を1つ実施します。 DLBCLの場合、MYC・BCL2・BCL6の3項目を実施し、保険点数も2477点×3となります。
- 注3:FLの場合、EZH2遺伝子変異解析を追加検査として実施し、保険点数は2500点となります。
- 注4:その他、必要に応じて追加項目が発生する可能性がございます。
臨床意義
悪性リンパ腫総合解析 「ML-NET」は、病理組織検査・染色体検査・細胞表面マーカー検査等により、リンパ腫の診断を総合的に補助する検査です。
「ML-NET」v2は、既存の「ML-NET」に加え、G-band検査とFISH検査の併用、遺伝子検査、細胞表面マーカー検査の抗体アップデートが行われました。
本検査により、日々複雑化し、治療の発展も目覚ましい悪性リンパ腫の診断補助を行うことが可能となります。
異常値を示す病態・疾患
関連疾患
悪性リンパ腫
参考文献
測定法文献
菊池 昌弘:Medical Technology 28(2):114~121, 2000.
臨床意義文献
Ohshima K, et al:Pathol Int. 52(1):1~12, 2002.