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○HDL-コレステロール
項目コード:0401 5
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-
検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
-
-
HDL-コレステロール
3F070-0000-023-271 -
血清
0.5 -
S09
↓
A00 -
(1ヵ月)
- 1~2
-
17
※4
- 直接法
- M 40~86 F 40~96(mg/dL)
-
HDL-コレステロール
備考
*
[K836 3]LDL-C/HDL-C比
・ LDL-コレステロールとHDL-コレステロールと本項目の3項目を同時にご依頼いただいた場合,LDL-コレステロールとHDL-コレステロールの測定結果とともにLDL-C/HDL-C比を算出し,ご報告いたします。
・LDL-C/HDL-C比のみのご依頼はできません。
診療報酬
D007(03)
HDL-コレステロール
生化学的検査(Ⅰ)判断料144点 ☆
- 「HDL-コレステロール」、「総コレステロール」及び「LDL-コレステロール」を併せて測定した場合は、主たるもの2つの所定点数を算定する。
容器
S09 旧容器記号 C1 1 セ X1
分離剤入り (真空採血量9mL)
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年
A00 旧容器記号 X
ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
補足情報
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版抜粋
脂質異常症診断基準
LDLコレステロール | 140 mg/dL 以上 | 高LDLコレステロール血症 |
---|---|---|
120~139 mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症** | |
HDLコレステロール | 40 mg/dL 未満 | 低HDLコレステロール血症 |
トリグリセライド | 150 mg/dL以上(空腹時採血*) | 高トリグリセライド血症 |
175 mg/dL以上(随時採血*) | ||
Non-HDLコレステロール | 170 mg/dL 以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
150~169 mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症** |
* 基本的に10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。空腹時であることが確認できない場合を「随時」とする。
** スクリーニングで境界域高LDL-C血症、境界域高non-HDL-C血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮する。
- LDL-CはFriedewald式(TC-HDL-C-TG/5)で計算する (ただし空腹時採血の場合のみ)。または直接法で求める。
- TGが400mg/dL以上や随時採血の場合はnon-HDL-C(=TC-HDL-C)かLDL-C直接法を使用する。ただしスクリーニングでnon-HDL-Cを用いる時は、高TG血症を伴わない場合はLDL-Cとの差が+30mg/dLより小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する。
- TGの基準値は空腹時採血と随時採血により異なる。
- HDL-Cは単独では薬物介入の対象とはならない。
冠動脈疾患予防からみたLDLコレステロール管理目標設定のための吹田スコアを用いたフローチャート
久山町研究のスコア(図3-2)に基づいて計算する。
*頭蓋内外動脈に50%以上の狭窄、または弓部大動脈粥腫(最大肥厚4mm以上)
注: 家族性高コレステロール血症および家族性Ⅲ型高脂血症と診断された場合はこのチャートは用いずに第4章「家族性高コレステロール血症」、第5章「原発性脂質異常症」の章をそれぞれ参照すること。
リスク区分別脂質管理目標値
治療方針の原則 | 管理区分 | 脂質管理目標値 (mg/dL) | |||
---|---|---|---|---|---|
LDL-C | Non-HDL-C | TG | HDL-C | ||
一次予防 まず生活習慣の改善を行った後 薬物療法の適用を考慮する |
低リスク | <160 | <190 | <150(空腹時)*** <175(随時) |
≧40 |
中リスク | <140 | <170 | |||
高リスク | <120 <100* |
<150 <130* |
|||
二次予防 生活習慣の是正とともに 薬物療法を考慮する |
冠動脈疾患またはアテローム血栓性 脳梗塞(明らかなアテローム****を 伴うその他の脳梗塞を含む)の既往 |
<100 <70** |
<130 <100** |
- * 糖尿病において、PAD、細小血管症(網膜症、腎症、神経障害)合併時、または喫煙ありの場合に考慮する。(第3章5.2参照)
- **「 急性冠症候群」、「家族性高コレステロール血症」、「糖尿病」、「冠動脈疾患とアテローム血栓性脳梗塞(明らかなアテロームを伴うその他の脳梗塞を含む)」の4病態のいずれかを合併する場合に考慮する。
- 一次予防における管理目標達成の手段は非薬物療法が基本であるが、いずれの管理区分においてもLDL-Cが180mg/dL以上の場合は薬物治療を考慮する。家族性高コレステロール血症の可能性も念頭に置いておく。(第4章参照)
- まずLDL-Cの管理目標値を達成し、次にnon-HDL-Cの達成を目指す。LDL-Cの管理目標を達成してもnon-HDL-Cが高い場合は高TG血症を伴うことが多く、その管理が重要となる。低HDL-Cについては基本的には生活習慣の改善で対処すべきである。
- これらの値はあくまでも到達努力目標であり、一次予防(低・中リスク)においてはLDL-C低下率20~30%も目標値としてなり得る。
- *** 10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。それ以外の条件を「随時」とする。
- ****頭蓋内外動脈の50%以上の狭窄、または弓部大動脈粥腫(最大肥厚4mm以上)
- 高齢者については第7章を参照。
臨床意義
高比重リポ蛋白(HDL)は末梢から肝臓へのコレステロールの逆転送に重要な役割を果している。HDLは抗動脈硬化作用を有し,冠動脈疾患(CHD)の防御因子として重要であり,低HDL-C血症はCHDの主要なリスクファクターの一つに数えられている。
HDLは主に肝臓,腸管で合成されタンパク質50%,脂質50%から構成される。脂質はさらにリン脂質23%,コレステロール20%,トリグリセライド(TG)5%などから成っている。主要なアポタンパクはアポA-Ⅰ,A-Ⅱである。
HDL-Cの測定はこのHDL分画中のコレステロールを測定し,HDLの総量および組成について知るための検査である。よって動脈硬化性疾患における危険因子の検査や脂質代謝異常が想定されるときに有用である。
異常値を示す病態・疾患
減少する疾患-① 一次性
LCAT 欠損症, Tangier病, LPL欠損症, アポA -1 異常症, 魚眼病(fish-eye disease )
減少する疾患-② 二次性
ネフローゼ症候群, 冠動脈硬化症, 肝硬変, 甲状腺機能異常, 高リポ蛋白血症(I,II,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ型), 糖尿病, 肥満, 慢性血液透析, 慢性腎不全, 薬物投与(サイアザイド)
上昇する疾患-① 一次性
CETP欠損症, 家族性高αリポ蛋白血症(長寿症候群)
上昇する疾患-② 二次性
アルコール多飲, 原発性胆汁性肝硬変, 閉塞性肺疾患, 薬物投与(インスリン・高脂血症)
参考文献
測定法文献
田口 隆由 他:臨床検査機器・試薬 24-1-35~41 2001
臨床意義文献
中井 継彦 他:日本臨床 53-増-617~622 1995