現在のラボ:金沢ラボ

項目コード:0Y911 5
検査項目
TRC(Transcription Reverse Transcription Concerted reaction)
インターカレーター性蛍光色素が標識されたDNAプローブと一定温度RNA増幅法を組み合わせて、RNAを1ステップで増幅・リアルタイム検出する方法。
#1
凍結保存は避けてください。
検体は充分量をご提出願います(検体量が少ない場合は検出感度が低下します)。スワブで提出された場合、きわめて検体量が少ないために偽陰性となることがありますので、ご提出はお避けください。
本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
D023(16)
マイコバクテリウム・アビウム及びイントラセルラー(MAC)核酸検出
微生物学的検査判断料150点

| 検査材料 | 検体量 | 容器 | 保存 | 採取方法 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 抗酸菌 | 喀痰 | 2~3mL | X00 滅菌喀痰採取容器 | 上気道・口腔内常在菌により、できるかぎり汚染されないように滅菌喀痰採取容器に採取し、直ちに冷蔵保存してください。 (患者に充分説明し、うがいにより清潔にした後に、咳によって深部から喀出された、しかも唾液混入の少ない喀痰を採取してください。) |
|
| 便 | 小指頭大 | ARR 滅菌ポリスピッツ | 適量を無菌的に採取し、滅菌ポリスピッツに入れ冷蔵保存してください。 ・便の塗抹鏡検は実施しておりません。 |
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| 胸水 腹水 胃液 |
各5~10mL | ARR 滅菌ポリスピッツ | 各サンプルを無菌的に採取し、滅菌ポリスピッツに入れ、直ちに冷蔵保存してください。 ・一般細菌を同時に依頼される場合はシードチューブⅡをご使用ください。 |
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| 部分尿 | 5~10mL | ARR 滅菌ポリスピッツ | 無菌的に採取し、滅菌ポリスピッツに入れ、直ちに冷蔵保存してください。 | ||
| 抗酸菌核酸同定 | 喀痰 | 2.0mL | X00 滅菌喀痰採取容器 | 核酸同定検査ではコンタミネーションの影響が大きくなりますので検体採取にあたっては、取り扱いに充分ご注意ください。 上気道・口腔内常在菌により、できるかぎり汚染されないように採取し、冷蔵で提出してください。 |
ご依頼の際は、必ず材料・由来を明記してください。
| 分類 (由来) |
材料 | 検体量 | 容 器 | 保存 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 一般細菌 | 口腔 ・ 気道 ・ 呼吸器 |
喀痰 | 2~3mL | X00 滅菌喀痰採取容器 | 上気道・口腔内常在菌により、できるかぎり汚染されないように滅菌喀痰採取容器に採取し、直ちに冷蔵保存してください。 (患者に充分説明し、うがいにより清潔にした後に、咳によって深部から喀出された、しかも唾液混入の少ない喀痰を採取してください。) | |
| 咽頭粘液 | 適量 | VS1 eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | eSwab105 レギュラーFLOQスワブの綿棒で咽頭をこすって、粘液を採取し、直ちに付属のアミーズ培地に無菌的に入れ、速やかに冷蔵保存してください。 | |||
| 消化管 | 便 | 適量 | VS1 eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | eSwab105 レギュラーFLOQスワブを用い適量の便を採取し付属のアミーズ培地に無菌的に入れてください。 ・クロストリジオイデス・ディフィシルの検査にはシードチューブⅡを使用してください。 ・便の塗抹鏡検は実施しておりません。 |
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| 胆汁 (A・B・C) 胃液 十二指腸液 |
各5~10mL | C10 シードチューブⅡ | 無菌的に採取し、シードチューブⅡに速やかに注入し、直ちに冷蔵保存してください。 | |||
| 泌尿器 ・ 生殖器 |
部分尿 尿管カテーテル 膀胱カテーテル |
各5~10mL | ARR 滅菌ポリスピッツ | ・無菌的に採取し、滅菌ポリスピッツに入れ、直ちに冷蔵保存してください。 ・淋菌の検索を目的とする場合は室温保存してください。 ・トリコモナスの検索を目的とする場合は室温保存してください。 |
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| 前立腺液 腟分泌物 膿 |
各適量 | VS1 eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | eSwab105 レギュラーFLOQスワブの綿棒で適量を採取し、付属のアミーズ培地に入れ、直ちに冷蔵保存してください。 ・淋菌の検索を目的とする場合は室温保存してください。 ・トリコモナスの検索を目的とする場合は室温保存してください。 |
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| 血液 ・ 穿刺液 |
動脈血 静脈血 |
各3~10mL (最適量8~10mL) |
CBG、CBS カルチャーボトル |
カルチャーボトル好気性菌用CBS、嫌気性菌用CBGの2本にそれぞれ3~10mLの血液を無菌的に注入し、緩やかに転倒混和し、室温保存してください。 フラン器での保存は検査結果に影響を与えます。 | ||
| 髄液 腰椎穿刺液 |
各3~5mL | C10 シードチューブⅡ | 3~5mLのサンプルを無菌的に採取し、シードチューブⅡに速やかに注入し、室温保存してください。 | |||
| 胸水 腹水 関節液 |
各5~10mL | C10 シードチューブⅡ | 5~10mLの各サンプルを無菌的に採取し、シードチューブⅡに速やかに注入し、直ちに冷蔵保存してください。 | |||
| その他 | 耳漏 | 適量 | VS1 eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | eSwab105 レギュラーFLOQスワブの綿棒で適量を無菌的に採取し、付属のアミーズ培地に入れ、直ちに冷蔵保存してください。 | ||
| 皮膚 爪 毛髪 |
各適量 | ARR 滅菌ポリスピッツ | 各適量を無菌的に採取し、滅菌ポリスピッツに入れ、直ちに冷蔵保存してください。 ・真菌検査のみ実施いたします。 |
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| 組織 膿 |
各適量 | C10 シードチューブⅡ | 各サンプルを綿棒で無菌的に採取し、シードチューブⅡに速やかに入れ、直ちに冷蔵保存してください。 | |||
| 他 | 便 (CDトキシン(GDH)) | 1.0g | F00 糞便容器 | 単独の検体にてご依頼ください。 |
| 分類 | 材料 | 検体量 (mL) | 保存条件 | 採取容器 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 口腔・気道・呼吸器 | 喀痰 | 2 ~ 3 5 ~ 7 | X00 | 滅菌喀痰採取容器 | |
| 咽頭ぬぐい液 | 適量 | VS1 | eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | ||
| 消化管 | 便 | 適量 | F01 VS1 | キャリブレアー採便管 eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | |
| 胆汁 | 5 ~ 10 | ARR XR | 滅菌スピッツ10mL用 | ||
| 胃液 | 2 ~ 3 5 ~ 10 | ARR XR | 滅菌スピッツ10mL用 | ||
| 泌尿器・生殖器 | 中間尿 | 5 ~ 10 | ARR XR | 滅菌スピッツ10mL用 | |
| カテーテル尿 | 5 ~ 10 | ARR XR | 滅菌スピッツ10mL用 | ||
| 腟分泌物 | 適量 | VS1 | eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | ||
| 膿 | 適量 | VS1 | eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | ||
| 血液・穿刺液 | 静脈血 | 最適量 8 ~ 10 |
CBG CBS |
血液カルチャーボトル | |
| 動脈血 | CBG CBS |
血液カルチャーボトル | |||
| 髄液 | 2 ~ 3 3 ~ 5 | C10 | シードチューブⅡ | ||
| 胸水 | 5 ~ 10 | C10 | シードチューブⅡ | ||
| 腹水 | 5 ~ 10 | C10 | シードチューブⅡ | ||
| 関節液 | 5 ~ 10 | C10 | シードチューブⅡ | ||
| その他の部位 | 耳漏 | 適量 | VS2 | eSwab106 ミニチップFLOQスワブ | |
| 眼脂 | 適量 | VS1 | eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | ||
| 皮膚 | 適量 | ARR XR | 滅菌スピッツ10mL用 | ||
| 爪 | 適量 | ARR XR | 滅菌スピッツ10mL用 | ||
| 組織 | 適量 | ARR XR | 滅菌スピッツ10mL用 | ||
| 膿 | 適量 | C10 | シードチューブⅡ | ||
| 他 | 環境材料 | - | C30 | スタンプ培地 (院内環境検査用) | |
| - | VS1 | eSwab105 レギュラーFLOQスワブ | |||
| 胃生検組織 | 適量 | C20 | シードチューブHP (ヘリコバクター培養同定用) | ||
| 便 | 1.0g | F00 | 糞便容器 | ||
| 他 | 胃生検組織 | 適量 | C20 | シードチューブHP (ヘリコバクター培養同定用) | |
| 便 | 1.0g | F00 | 糞便容器 | ||

滅菌ポリスピッツ 10mL用
貯蔵方法:室温

血液培養ボトル (嫌気用)
抗生物質吸着中和剤入
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から9ヵ月
最適量:8~10mL (許容範囲 3~10mL)

血液培養ボトル (好気用)
抗生物質吸着中和剤入
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から9ヵ月
最適量:8~10mL (許容範囲 3~10mL)

血液培養ボトル (小児用)
抗生物質吸着中和剤入
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から9ヵ月
採取量:1~3mL

シードチューブⅡ 嫌気培養用 (容器容量4mL)
内容:寒天、塩化ナトリウム、リン酸塩等
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から6ヵ月

シードチューブHP (ヘリコバクター培養同定用)
貯蔵方法:冷蔵
有効期間:製造から3ヵ月

スタンプ培地 院内環境検査用
貯蔵方法:冷蔵
有効期間:製造から4ヵ月

糞便容器
貯蔵方法:室温

キャリーブレア採便管
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から6ヵ月

eSwab105 レギュラーFLOQスワブ
内容:アミーズ培地 1mL
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年3ヵ月

eSwab106 ミニチップFLOQスワブ
内容:アミーズ培地 1mL
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年3ヵ月

滅菌喀痰採取容器
貯蔵方法:室温

滅菌喀痰採取容器
貯蔵方法:室温

滅菌ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
被検体の一定面積 (10cm×10cm通例) を eSwab105 レギュラーFLOQスワブに添付されている綿棒 (あらかじめ培地に刺して湿らせておく) にてよくふきとり 再度培地に刺しご提出ください。

スタンプ培地 (C30) のキャップをとりはずし、 培地面に手指など触れないよう注意し 被検体の表面に培地面をかるく押しつけます。 約5秒後再びキャップをしてご提出ください。

抗酸菌症の診断には分離培養検査が利用されておりましたが、ヒトの感染症起因菌となる抗酸菌の多くは発育が遅く分離培養及び同定検査に1~8週間程度を必要とするため、迅速な診断ができないなどの問題が指摘されていました。近年、核酸増幅法を用いた抗酸菌同定検査が開発されたことにより、迅速で感度の高い抗酸菌の検出と同定が可能となり、抗酸菌感染症の鑑別診断と治療の選択に有用な検査となっています。
また非定型抗酸菌症では、結核菌症の場合と異なり、患者を隔離して治療する必要性がありませんが、臨床所見、X線検査及び塗抹検査のみでは結核症との鑑別が困難な場合が多く、この様な症例では結核菌と非定型抗酸菌との早期鑑別診断が重要です。
結核、非結核性抗酸菌症
測定法文献
田村 卓,他:日本臨床微生物学雑誌 18(1):15~19, 2008.
臨床意義文献
御手洗 聡:モダンメディア 59(7):194~199, 2013.