現在のラボ:愛知ラボ
○HIV-1RNA定量
項目コード:598539
-
-
検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
-
-
HIV-1RNA定量
5F500-1453-022-875 -
血漿
1.8 - PSF
-
(22日)
- 3~6
-
520
※7
-
RT-PCR (リアルタイムPCR)
リアルタイムPCR
PCR法を基本原理とする核酸増幅法の一種であり,分解により蛍光を発するオリゴヌクレオチドを利用することにより,PCRサイクルごとに蛍光シグナルを確認することでリアルタイムにターゲット核酸の定量が可能となる測定方法。 - 検出せず(コピー/mL)
-
HIV-1RNA定量
備考
&1
他項目との重複依頼は避けてください。本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので,検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
指定の採取量を下図の容器に採取後,4 ~ 5回静かに転倒混和し,室温にて遠心分離しそのまま凍結してご提出ください。他項目との重複依頼は避けてください。
本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
診療報酬
D023(18)
HIV-1核酸定量〔PCR法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法又はTMA法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法〕
微生物学的検査判断料150点
- ア 「HIV-1核酸定量」は、PCR法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法又はTMA法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法により、HIV感染者の経過観察に用いた場合又は「HIV-1,2抗体定性」、「HIV-1,2抗体半定量」、「HIV-1,2抗原・抗体同時測定定性」、「HIV-1抗体」、「HIV-1,2抗原・抗体同時測定定量」、又は「HIV-1,2抗体定量」が陽性の場合の確認診断に用いた場合にのみ算定する。
イ 「HIV-1核酸定量」と「HIV-1抗体(ウエスタンブロット法)」を併せて実施した場合は、それぞれを算定することができる。
容器
PSF 旧容器記号 P3
EDTA-2K+血漿分離剤入り (真空採血量5mL)
貯蔵方法:4~25℃
有効期間:製造から1年
補足情報
HIV検査手順
抗体確認検査法 | 総合判定 | |||
---|---|---|---|---|
HIV-1核酸増幅検査法 | ||||
HIV-1 | HIV-2 | 判定 | 陽性あるいは検出感度未満 | 検出せず |
陽性 | 陽性 ② | HIV-1,2感染 | HIV-1およびHIV-2重複感染 | HIV-1(治療中) ③・HIV-2感染 |
判定保留 | HIV-1感染 | HIV-1感染 | HIV-1感染 (治療中) ③ | |
陰性 | HIV-1感染 | HIV-1感染 | HIV-1感染 (治療中) ③ | |
判定保留 | 陽性 ② | HIV-2感染 | 急性HIVおよびHIV-2重複感染 | HIV-2感染 |
判定保留 | HIV-1,2判定保留 | 急性HIV-1感染 | HIV-1,2判定保留(2週間後再検査) | |
陰性 | HIV-1判定保留 | 急性HIV-1感染 | HIV-1判定保留(2週間後再検査) | |
陰性 | 陽性 ② | HIV-2感染 | 急性HIVおよびHIV-2重複感染 | HIV-2感染 |
判定保留 | HIV-2判定保留 | 急性HIV-1感染 | HIV-2判定保留(2週間後再検査) | |
陰性 | HIV陰性 | 急性HIV-1感染 | HIV非感染 ④ |
- ① 感染リスクがない場合は非感染と判定されますが、 感染リスクがある場合または不明の場合は数週間後に再度スクリーニング検査を実施してください。
- ② HIV-2核酸増幅検査法は保険収載されていないため、専門機関に相談してください。
- ③ HIV-1治療中または低ウイルス量感染が考えられます。
- ④ 感染リスクがある場合または不明の場合は、数週間後に再検査を実施してください。
抗体確認検査法の解釈
● HIV-1/2 抗体確認検査法 (IC法)
HIV-1/2感染の確認検査に用います。
抗原抗体同時スクリーニング検査法が陽性で、本法が陰性または判定保留であり、
HIV-1 RNA定量 (リアルタイムPCR法) が検出される場合は、急性HIV-1感染期と考えられる。
このようなHIV-1 NAT法の単独陽性で確定診断した場合は、
後日、適切な時期 (2週間後以降) に本法により陽性を確認する必要があります。
<測定結果>
【HIV-1陽性】 | p31・gp160・p24・gp41のいずれかが反応し、gp160又はgp41のいずれかを含む2項目以上の反応が認められる。 |
【HIV-1陰性】 | p31・gp160・p24・gp41のいずれも反応も認められない。 |
【HIV-1判定保留】 | 陽性及び陰性でない場合。 |
【HIV-2陽性】 | gp36・gp140のいずれも反応が認められる。 |
【HIV-2陰性】 | gp36・gp140のいずれも反応が認められない。 |
【HIV-2判定保留】 | 陽性及び陰性でない場合。 |
HIV-1核酸増幅検査の解釈
● HIV-1 RNA定量 (リアルタイムPCR法)
HIV-1感染の確認検査、病態の進展、治療開始時期の決定および治療の経過観察等に用います。
<測定結果>
【検出せず】 | HIV-1RNAを検出しませんでした。 ただし、HIVの存在を否定するものではありません。 臨床症状や他の検査結果などと併せて総合的に判断してください。 |
【測定範囲】 | 2.0×101未満、2.0×101~1.0×107 コピー/mL |
臨床意義
HIVの感染は,主として感染者との性的接触,HIVを含む血液との接触または母子感染によって引き起こされる。HIV感染者の血液中にはHIV RNAが存在し,HIVウイルス量を反映することから,感染の有無や病態の進行,治療開始時期や治療の効果判定に重要です。HIV感染の確認検査は従来,ウエスタンブロット法が主流であったが現在では,検出感度の問題から早期感染を見つけるために核酸増幅法が主流となっている。また,HIV感染者の予後を推測する目的で,HIV-1RNA量の測定は重要なパラメータであり,発症予知や療法のモニターにも有用である。HIV-1RNA量は検出限界以下であっても,完全に消失してはいないため,モニタリングには高い感度が求められる。本検査は,リアルタイムPCR法により高感度かつ広い測定レンジでHIV-1RNAを定量的に測定することが可能である。
参考文献
測定法文献
目崎 和久,他: 医学と薬学73(6):705~709,2016 .
臨床意義文献
文献なし: