現在のラボ:千葉中央
○中性脂肪(TG)
項目コード:0001 9
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-
検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
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中性脂肪(TG)
3F015-0000-023-271 -
血清
0.5 -
S09
↓
A00 -
(1ヵ月)
- 1~2
-
11
※4
-
酵素法(GK-GPO・遊離グリセロール消去)
酵素法
測定原理は比色法と同様で,測定物質を酵素を用いて特異的に測定する方法。 - 50~149(mg/dL)
-
中性脂肪(TG)
備考
*
診療報酬
D007(01)
中性脂肪
生化学的検査(Ⅰ)判断料144点 ☆
容器
S09 旧容器記号 C1 1 セ X1
分離剤入り (真空採血量9mL)
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年
A00 旧容器記号 X
ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
補足情報
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版抜粋
脂質異常症診断基準
LDLコレステロール | 140 mg/dL 以上 | 高LDLコレステロール血症 |
---|---|---|
120~139 mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症** | |
HDLコレステロール | 40 mg/dL 未満 | 低HDLコレステロール血症 |
トリグリセライド | 150 mg/dL以上(空腹時採血*) | 高トリグリセライド血症 |
175 mg/dL以上(随時採血*) | ||
Non-HDLコレステロール | 170 mg/dL 以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
150~169 mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症** |
* 基本的に10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。空腹時であることが確認できない場合を「随時」とする。
** スクリーニングで境界域高LDL-C血症、境界域高non-HDL-C血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮する。
- LDL-CはFriedewald式(TC-HDL-C-TG/5)で計算する (ただし空腹時採血の場合のみ)。または直接法で求める。
- TGが400mg/dL以上や随時採血の場合はnon-HDL-C(=TC-HDL-C)かLDL-C直接法を使用する。ただしスクリーニングでnon-HDL-Cを用いる時は、高TG血症を伴わない場合はLDL-Cとの差が+30mg/dLより小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する。
- TGの基準値は空腹時採血と随時採血により異なる。
- HDL-Cは単独では薬物介入の対象とはならない。
冠動脈疾患予防からみたLDLコレステロール管理目標設定のための吹田スコアを用いたフローチャート
久山町研究のスコア(図3-2)に基づいて計算する。
*頭蓋内外動脈に50%以上の狭窄、または弓部大動脈粥腫(最大肥厚4mm以上)
注: 家族性高コレステロール血症および家族性Ⅲ型高脂血症と診断された場合はこのチャートは用いずに第4章「家族性高コレステロール血症」、第5章「原発性脂質異常症」の章をそれぞれ参照すること。
リスク区分別脂質管理目標値
治療方針の原則 | 管理区分 | 脂質管理目標値 (mg/dL) | |||
---|---|---|---|---|---|
LDL-C | Non-HDL-C | TG | HDL-C | ||
一次予防 まず生活習慣の改善を行った後 薬物療法の適用を考慮する |
低リスク | <160 | <190 | <150(空腹時)*** <175(随時) |
≧40 |
中リスク | <140 | <170 | |||
高リスク | <120 <100* |
<150 <130* |
|||
二次予防 生活習慣の是正とともに 薬物療法を考慮する |
冠動脈疾患またはアテローム血栓性 脳梗塞(明らかなアテローム****を 伴うその他の脳梗塞を含む)の既往 |
<100 <70** |
<130 <100** |
- * 糖尿病において、PAD、細小血管症(網膜症、腎症、神経障害)合併時、または喫煙ありの場合に考慮する。(第3章5.2参照)
- **「 急性冠症候群」、「家族性高コレステロール血症」、「糖尿病」、「冠動脈疾患とアテローム血栓性脳梗塞(明らかなアテロームを伴うその他の脳梗塞を含む)」の4病態のいずれかを合併する場合に考慮する。
- 一次予防における管理目標達成の手段は非薬物療法が基本であるが、いずれの管理区分においてもLDL-Cが180mg/dL以上の場合は薬物治療を考慮する。家族性高コレステロール血症の可能性も念頭に置いておく。(第4章参照)
- まずLDL-Cの管理目標値を達成し、次にnon-HDL-Cの達成を目指す。LDL-Cの管理目標を達成してもnon-HDL-Cが高い場合は高TG血症を伴うことが多く、その管理が重要となる。低HDL-Cについては基本的には生活習慣の改善で対処すべきである。
- これらの値はあくまでも到達努力目標であり、一次予防(低・中リスク)においてはLDL-C低下率20~30%も目標値としてなり得る。
- *** 10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。それ以外の条件を「随時」とする。
- ****頭蓋内外動脈の50%以上の狭窄、または弓部大動脈粥腫(最大肥厚4mm以上)
- 高齢者については第7章を参照。
臨床意義
中性脂肪(TG)はグリセリンの脂肪酸エステル(トリアシルグリセロール)である。血中TGは各種リポ蛋白のコアに組み込まれた形で運ばれる。リポ蛋白はカイロミクロン(CM),超低比重リポ蛋白(VLDL),中間比重リポ蛋白(IDL),低比重リポ蛋白(LDL),高比重リポ蛋白(HDL)に分画され,CMとVLDLがTGに富む。CMは外因性(食事由来)TGを,VLDLは内因性(肝合成)TGを転送する。CM,VLDL中のTGは,リポ蛋白リパーゼ(LDL)により脂肪酸とグリセロールに水解され,VLDLはIDLを経て,肝性TGリパーゼ(HTGL)により異化代謝されLDLとなる。
血中TGは各種の原発性・続発性高脂血症で異常値を示し,その測定がこれらの病態の診断や治療に有用である。
異常値を示す病態・疾患
減少する疾患
Addison病, ヘパリン投与, βリポ蛋白欠損症, 悪液質, 下垂体機能低下症, 肝硬変, 吸収不全症, 急性黄色肝萎縮症, 急性中毒性脂肪肝, 甲状腺機能亢進症, 重症肝実質障害, 心不全
上昇する疾患
Cushing症候群, Weber-Christian病, Zieve症候群, グリコーゲン蓄積症, ネフローゼ症候群, マクログロブリン血症, 下垂体機能低下症, 家族性高リポ蛋白血症(Ⅰ,Ⅱb,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ型), 甲状腺機能低下症, 痛風, 糖尿病, 動脈硬化症, 尿毒症, 脳血栓症, 先端肥大症, 薬剤投与(サイアザイド・経口避妊薬), 膵炎(急性・慢性)
参考文献
測定法文献
Tamaoku K et al:Chem Pharm Bull 30(7):2492~2497,1982.
臨床意義文献
渋谷 陽子,他:日本臨牀53(増1):606~610,1995.