現在のラボ:札幌ミライラボ
○HER2タンパク
項目コード:8486ZZ / 0260
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検査項目
JLAC10 - 提出材料
- 検体量
- 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
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HER2タンパク
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10%中性緩衝 ホルマリン 固定組織 パラフィンブロック
- 10mm3以上
- u
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- 6~9
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690
※8
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酵素抗体法
酵素抗体法
目的とする抗原に対して,酵素で標識した抗体を用いて抗原抗体反応を行い,発色基質を加えて酵素活性を測定する方法。
酵素で標識した抗体を直接反応させる直接法と,抗原に対して未標識の抗体を反応させた後,酵素で標識した抗体を2次反応させる間接法がある。
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HER2タンパク
備考
&メ
診療報酬
N002(03)
HER2タンパク〔半定量法又はEIA法(酵素免疫測定法)〕
病理判断料130点
- 「免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製」は、病理組織標本を作製するにあたり免疫染色を行った場合に、方法(蛍光抗体法又は酵素抗体法)又は試薬の種類にかかわらず、1臓器につき1回のみ算定する。
- 「HER2タンパク」は、半定量法又はEIA法(酵素免疫測定法)による病理標本作製を行った場合に限り算定する。
- 「HER2遺伝子標本作製」と「HER2タンパク」を併せて行った場合は3,050点の算定となります。
容器
旧容器記号 u
病理専用容器
20%ホルマリン液を充填してお使いください。
貯蔵方法:室温
補足情報
エストロゲンレセプター・プロゲステロンレセプター (IHC)、乳癌HER2/neuタンパク (染色法) および乳癌HER2遺伝子 (FISH) の提出方法
- 本検査は病理検査により確定診断がなされた症例について治療の方針を判定するための検査ですので、 病理検査依頼書または遺伝子病理専用依頼書に病理診断名・組織型をご記入のうえ、ご依頼ください。
- 癌細胞の有無、組織型が不明な場合もありますので、検査依頼時に病理診断書 (コピー) の添付をお願いいたします。
(ただし、当社で一般病理検査を実施している場合は不要です。)
なお、諸事情により添付できない場合には、病理検査依頼書または遺伝子病理専用依頼書に病理診断名 (組織型等) の他、臨床情報等可能な範囲での記載をお願いいたします。 - 材料は乳癌(原発巣または転移巣)の未染標本スライド(ホルマリン固定パラフィンブロックから作製されたもの)となります。シランなどのコーティングスライドをご使用のうえ、薄切後は約40°Cで一晩乾燥させた後、ご提出ください。固定時間は10%中性緩衝ホルマリンで下記時間が推奨されています。
【固定時間】
項目コード 検査項目 時間 0A08 4 A883 1 576937 エストロゲンレセプター (IHC) 6 ~ 48時間 0A12 6 A891 2 577037 プロゲステロンレセプター (IHC) 6 ~ 48時間 0A16 5 A899 4 577137 エストロゲンレセプター/プロゲステロンレセプター (IHC) 6 ~ 48時間 0A20 7 A937 1 577237 乳癌HER2/neuタンパク (染色法) 24 ~ 48時間 0A28 5 B004 5 577437 乳癌HER2遺伝子 (FISH) 24 ~ 48時間 - 免疫組織化学染色法をご依頼の場合、組織切片を4μmの暑さに薄切してください。
FISHをご依頼の場合、組織切片を4~6μmの厚さに薄切してください。
組織切片はなるべく中央に貼り付けてください。 - 乳癌HER2のIHC検査、もしくはFISH検査を既に実施している場合は、その検査成績を依頼書にご記入ください。
スコアリング基準
スコア | 乳癌・胃癌HER2病理診断ガイドライン 第2版(2021年4月)染色パターン |
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0 | 染色像が認められない または、≦10%の腫瘍細胞にかすかな/かろうじて認識できる不完全な膜染色が認められる |
1+ | >10%の腫瘍細胞にかすかな/かろうじて認識できる不完全な膜染色が認められる |
2+ | >10%の腫瘍細胞に弱/中等度の全周性の膜染色が認められる |
3+ | >10%の腫瘍細胞に強い完全な全周性の膜染色が認められる |
臨床意義
HER2/neu 遺伝子はヒト上皮細胞増殖因子受容体(Epidermal Growth Facter Recepter )遺伝子と類似の構造を有する癌遺伝子として同定された。HER2遺伝子のコ-ドする産物(HER2タンパク)は,細胞膜を貫通する受容体型糖タンパクで,チロシン残基のリン酸化により活性化され,p21/rasなどを経たシグナル伝達経路を介して細胞の増殖に関与している。
HER2 タンパクはさまざまなヒトの腫瘍において過剰発現しており,特に乳癌においては転移性乳癌患者の25~30%で過剰発現が認められている。これらの症例では予後不良,ホルモン療法への抵抗性,抗癌剤への低感受性が報告されており,HER2 タンパクを標的としたヒト化モノクローナル抗体(Trastuzumab)(商品名:ハーセプチン)(ロシュ社)は,日本においては2001 年4月に医薬品承認された。
癌を正常細胞もろとも攻撃する従来の抗癌剤の難点だった重い副作用を回避できるのが大きな利点で,モノクローナル抗体の抗癌剤は初めての医薬品承認である。現在,日本において承認されているハ-セプチンの効能・効果は「HER2過剰発現が確認された転移性乳癌」および「HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法」である。作用としてはHER2 タンパクを過剰発現している腫瘍細胞を標的として特異的に結合することにより腫瘍細胞の増殖を阻害すると言われている。
参考文献
臨床意義文献
トラスツズマブ病理部会:HER2検査ガイド-ハ-セプチンの適正な症例選択のための- 第3版:1~28,2009
関連項目
- 乳癌HER2遺伝子(FISH)
- 乳癌 PD-L1タンパク (IHC) SP142
- 乳癌 HER2 タンパク(IHC)4B5
- オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム