現在のラボ:金沢ラボ

項目コード:128402
検査項目
JLAC10
CF(Complement fixation)
補体結合反応
補体が抗原抗体複合体と結合することと溶血反応を引き起こすことを利用した方法。
赤血球に溶血素を結合した感作赤血球は補体が結合すると溶血を起こすが、抗原抗体複合体が存在すると補体が消費され溶血が阻止されることから、溶血の程度から抗体の存在を判定する。
#E
下記参照(*CF)
*CF(補体結合反応):補体結合反応におきましては抗補体作用がみられ、測定不能になる場合がありますので、抗凝固剤を入れずに採血して速やかに血清分離し冷蔵保存してください。
出発希釈 4倍(髄液の測定も可能です。検体量 0.4mL(冷蔵) 基準値 1倍未満 出発希釈 1倍)
D012(11リ)
ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)(ムンプスウイルス)
免疫学的検査判断料144点
分離剤入り (真空採血量9mL)
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年
ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
ムンプス(おたふくかぜ)は耳下腺腫脹を主症状とする小児期の軽度なウイルス感染症である。しかし、成人に感染した場合には、髄膜炎、睾丸炎、卵巣炎、膵炎、腎炎を合併したり重症に経過する。ムンプスウイルスは中枢神経系に親和性があり、無菌性髄膜炎を起こすことが知られている。ムンプス罹患時には約50~60%に髄液中の細胞増多を認め、10%に症状を伴う無菌性髄膜炎を合併し、耳下腺腫脹を認めずに発症する例もある。
1989年4月からは麻疹(measles)、風疹(rubella)とともに3種混合ワクチン(MMR)として定期接種に組み入れられたがムンプスワクチンに起因する髄膜炎が報告されたため、MMRの接種は事実上中止され任意接種のみ実施されている。
ムンプスの血清学的検査にはNT、CF、HI、EIAなどがあり、CFはムンプスウイルスのIgGを主に測定している。NTは感度、特異性ともに優れている。HIはパラインフルエンザと交差性を示し特異的ではない。中枢神経系の疾患の場合EIA法のIgG捕捉法が髄液中の局所抗体の証明に有用である。感染初期の抗体検査はEIA法のIgMがあり、ワクチン接種後の抗体チェックには6~8週後にEIA法のIgGが用いられる。また、ワクチン接種後の髄膜炎とワクチンウイルスとの因果関係を証明する際には、ウイルス分離が重要であるが検体採取の時期などにより差がある為、臨床検体から直接的にRT-PCR法によりウイルス遺伝子を検出する方法がある。
耳下腺腫脹のない無菌性髄膜炎,精巣炎,膵臓炎, 流行性耳下腺炎
測定法文献
北村 元仕,他:臨床検査マニュアル(文光堂):880~886, 1988.
臨床意義文献
植田 浩司,他:臨床医 19(増):908~909, 1993.