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○HDL2,3コレステロール
項目コード:3230 2
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検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
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HDL2,3コレステロール
3F075-0000-023-221 -
血清
1.0 -
S09
↓
A00 -
(20日)
- 2~6
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超遠心法
超遠心法
超遠心機を用いて蛋白質の比重の差により分離し測定する方法。 - HDL2 コレステロール M 16.0~61.0 F 23.0~73.0 HDL3 コレステロール M 13.0~25.0 F 13.0~24.0 (mg/dL)
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HDL2,3コレステロール
備考
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凍結保存は避けてください。
容器
S09 旧容器記号 C1 1 セ X1
分離剤入り (真空採血量9mL)
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年
A00 旧容器記号 X
ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
臨床意義
HDLは水和密度が1.063~1.21 で最も密度が高く,粒子径が最も小さいリポ蛋白であり,さらに細かく分類されHDL2とHDL3の亜分画が存在する.
HDL3は末梢の細胞膜よりコレステロール(遊離型)の取り込みを行い,LCATの作用によりコレステロールをエステル型とし,粒子のコアに貯蔵してHDL2へと変化する.HDL2に取り込まれたコレステロールの代謝には二通りあり,一つはHDL2ごと肝臓に直接取り込まれ,胆汁酸として排出される過程,もう一つはHDL2中のコレステロールのみCETPによって他のリポ蛋白に転送される過程がある.
以上の代謝により,コレステロールは末梢より除去される.こうしたHDLによる代謝はコレステロール逆転送と呼ばれ,HDLが動脈硬化症進展阻止因子として働いていることを示唆している.HDLをHDL2とHDL3に分別定量することにより,より細かい動脈硬化症進展阻止因子についての情報が提供される.
異常値を示す病態・疾患
減少する疾患-(1) 一次性
Tangier 病, アポA-Iミラノ病, 魚眼病
減少する疾患-(2) 二次性
高リポ蛋白血症(Ⅰ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ型), 透析, 動脈硬化, 慢性腎不全, 無βリポ蛋白血症
上昇する疾患-(1) 一次性
家族性高αリポ蛋白血症
上昇する疾患-(2) 二次性
糖尿病(インスリン治療)
参考文献
測定法文献
Bronzert TJ et al:Clinical Chemistry 23-11-2089~2098 1977
臨床意義文献
板倉 弘重:日本臨床 57-S2-35~38 1999