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現在のラボ:札幌ミライラボ

単純ヘルペス ウイルス 1型

  • 検査項目
    JLAC10

    材料
    検体量
    (mL)
    容器
    キャップ
    カラー
    保存
    (安定性)
    所要
    日数
    実施料
    判断料
    検査方法
    基準値
    (単位)
  • 単純ヘルペス ウイルス 1型
    5F191-1430-023-151
    血清
    0.2
    S09

    A00
    冷蔵
    6~20

    79
    ※6
    NT(中和反応)

    NT(Neutralization test)
    中和反応
    ウイルスがウイルスに対する抗体との反応により感染性が失われる(中和)ことを利用した方法。
    ウイルスと抗体を反応させた後,ウイルスに感受性のある培養細胞に接種し,細胞変性効果(cytopathogenic eff ect:CPE)の有無により中和抗体の存在を判定する。

    4未満(倍)

備考

&1
下記参照(*NT) 1型,2型間には抗原交差性があります。
*NT(中和反応):細菌繁殖などにより細胞が汚染され,測定不能になる場合がありますのでご注意ください。
出発希釈 4倍(髄液の測定も可能です 検体量 0.4mL(冷蔵) 基準値 1倍未満 出発希釈 1倍)

診療報酬

D012(11ヘ)
ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)(ヘルペスウイルス)
免疫学的検査判断料144点

  • ウイルス抗体価(定性・半定量・定量) 下記をご参照ください。

容器

補足情報

臨床意義

単純ヘルペスウイルスは,DNAウイルスで,1型(HSV-1)と2型(HSV-2)の2亜型に分けられている。HSVの特徴は,初感染後体内に持続感染(潜伏感染)することである。初感染の多くは不顕性感染で,顕性,不顕性を問わず初感染後は三叉神経節,仙骨神経節に潜伏感染し,疲労,妊娠,怪我,熱性疾患その他の原因によってウイルスが再活性化されると,口唇周辺や陰部など特定の皮膚部位に水疱を生じる(回帰性ヘルペス)。
HSV感染症の診断法には,ウイルスを直接証明する抗原検査と血清抗体の上昇によって診断する抗体検査とがある。抗原検出法は,ウイルス分離をはじめ,病変部より得た細胞中のHSV抗原を蛍光抗体法(FA)を用いて証明したり,モノクロ抗体を用いたシェル・バイアル法がありこの方法は特異性が高い。また遺伝子検査としてin situハイブリダイゼーション,PCRなどによる方法があり,ヘルペス脳炎,新生児ヘルペス感染症などの早期治療により救命率を上げることが期待されている。
抗HSV抗体の測定法として,EIA法は感度が高くまたIgG,IgM抗体の分別測定も可能である。中和法はEIA法に比べ感度的には落ちるが特異性は高い。また中枢神経疾患の場合EIA法のIgG捕捉法が有用であり,その特性から目的に応じて使い分けられる。以上から血清学的検査は,主として初感染の診断に有用であるが,中枢神経感染の診断や感染HSVの型別推定にも応用されている。

異常値を示す病態・疾患

1)初感染型-b)顕 症(<10%)

①急性歯肉口内炎, ②ヘルペス疱疹, ③外傷性ヘルペス, ④ヘルペス湿疹(Kaposi水痘様ヘルペス湿疹), ⑤ヘルペス角結膜炎, ⑥呼吸器系(鼻炎,咽喉頭炎,扁桃炎,気管支炎,肺炎), ⑦消化器系(肝炎,食道炎など), ⑧泌尿性器系(性器ヘルペスなど), ⑨神経系(脳炎,髄膜炎,多発性神経炎,神経痛,急性小脳性失調症,Bellの麻痺など), ⑩新生児ヘルペス, ⑪先天奇形

2)再発型

a)皮膚粘膜病変(口唇ヘルペスなど), b)眼部病変(角膜炎など), c)泌尿性器系(性器ヘルペスなど), d)中枢神経系(脳炎,髄膜炎など)

適応疾患

ヘルペス性角結膜炎, ヘルペス性食道炎, 咽頭扁桃腺炎, 角結膜炎, 肝炎, 口唇ヘルペス, 歯肉口内炎, 新生児ヘルペス, 神経炎, 性器ヘルペス, 脊髄炎, 全身性ヘルペス, 脳炎, 皮膚炎, 流産,死産,奇形

参考文献

測定法文献
国立予防衛生研究所学友会:ウイルス実験学 総論 2版 (丸善) 260~274 1973
臨床意義文献
中村 良子:日本臨床 57-S3-256~259 1999

関連項目

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