現在のラボ:杏和総合
- TOP
- 遺伝子関連検査
- 悪性腫瘍(固形腫瘍)遺伝子検査
- IDH1/2遺伝子解析(グリオーマ)(FFPE)
現在のラボ:杏和総合
○IDH1/2遺伝子解析(グリオーマ)(FFPE)
項目コード:1989
-
-
検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
-
-
-
IDH1/2遺伝子解析(グリオーマ)(FFPE)
-
未染標本スライド
5~10枚
厚さ4~10μm - Z10
-
- 11~14
-
ダイレクトシーケンス法
ダイレクトシーケンス法
PCR法で増幅したDNAを鋳型として直接塩基配列を決定する方法。
-
IDH1/2遺伝子解析(グリオーマ)(FFPE)
備考
&1
神経膠腫(グリオーマ)における遺伝子変異である、IDH1 R132およびIDH2 R172を解析しています。急性骨髄性白血病(AML)患者でみられるIDH2の遺伝子変異は測定できませんのでご注意ください。
検査に必要な腫瘍細胞の割合は20%以上です。未染標本スライド提出に際しての留意事項は下記をご参照ください。
他項目との重複依頼は避けてください。本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取扱いに充分ご注意ください。
●提出条件
未染標本スライドは、病理組織学的な評価がなされ、検査に必要な腫瘍細胞割合(標本中の全細胞に占める腫瘍細胞の%)以上存在することを確認してください。必要な割合に満たない場合には、未染標本スライドの裏面から腫瘍細胞領域をマーキングしてください。 マーキングがされないまま提出されますと、マクロダイセクションができず、偽陰性など判定結果に影響を及ぼす可能性がありますので、あらかじめご了承願います。
●未染標本スライドについて
採取された組織は速やかに10%中性緩衝ホルマリン溶液に浸漬し、固定を行ってください(推奨固定時間は6~48時間)。ご提出の際には、可能な限り3年以内に作製したホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックより、指定の厚さにて連続切片を作製してください。なお、薄切時には検体ごとにミクロトーム刃を交換するなど、コンタミネーションに充分ご注意ください。また、組織のホルマリン固定により核酸が断片化されているため、固定液の種類や組成、固定時間、固定後の検体の保存状態によっては、解析不可能となることがありますので、あらかじめご了承ください。
●生検標本について
生検標本は検体が微量であることが多く、組織自体がほとんど消失している場合や、腫瘍細胞が含まれていない組織片になっている可能性がありますので、あらかじめご注意願います。
容器
Z10 旧容器記号 t 30
[オブジェクトケース]
プレパラート (スライドグラス)
貯蔵方法:室温
臨床意義
IDH1/2は、クエン酸回路にてイソクエン酸とα-ケトグルタル酸を相互変換する酸化還元酵素であり、突然変異(IDH1遺伝子のコドン132、IDH2遺伝子のコドン172)により、α-ケトグルタル酸をD-2-ヒドロキシグルタル酸に変換します。この野生型のIDHでは存在しないD-2-ヒドロキシグルタル酸が、がん化を引き起こすといわれています。
神経膠腫(グリオーマ)は、脳の神経細胞を支える神経膠細胞から生じる悪性腫瘍の総称です。神経膠腫のうち、特に星細胞腫、乏突起神経膠腫では、IDH1/2遺伝子の点突然変異が高頻度に認められることが知られています。
2016年にWHOの脳腫瘍診断体系が改訂され、神経膠腫に関しては従来の組織学(形態学)的分類(第4版, 2007年)中心から、遺伝子異常に基づいた分類(改訂第4版, 2016年)へと変化しました。日本でも2018年に改訂された脳腫瘍取扱い規約(第4版)に、IDH1/2遺伝子解析を含む診断アルゴリズムが掲載されており、本検査は神経膠腫の診断や予後予測において有用です。
異常値を示す病態・疾患
関連疾患
神経膠腫(グリオーマ)
参考文献
測定法文献
Arita H,et al:Brain Tumor Pathol 32(1):22~30,2015.
臨床意義文献
Komori T:Neurol Med Chir(Tokyo)57(7):301~311,2017.