現在のラボ:杏和総合

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項目コード:3127
検査項目
JLAC10
原子吸光分析法
元素試料を化学炎中や加熱グラファイト管中などで元素の原子化を行い,この原子蒸気に元素固有の共鳴線をあてると原子蒸気中の原子の数に応じて吸収されることを利用して,吸光度から元素量を定量する方法。
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下記をご参照ください。
下図の容器に採血し,よく混和させ,冷蔵保存してください。
ヘパリン入り (真空採血量5mL)
内容:ヘパリンNa 65IU
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から2年
産業医学関連検査は、有機溶剤作業者、鉛作業者を対象として、
体内に有機溶剤や鉛がどの程度取り込まれているかを定期的にチェックすることを主な目的としているため、
結果の評価については、正常・異常の鑑別を目的としたものではなく、
作業環境を含めた総合的な判断が必要とされています。
また、労働安全衛生法に基づく各中毒予防規則では、各健康診断結果報告書を、
所轄の労働基準監督署長に提出することが定められています。
対象物質 | 測定項目 | 単位 | 分布 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | |||
トルエン | 尿中馬尿酸 | g/L | 1以下 | 1超 2.5以下 | 2.5超 |
キシレン | 尿中メチル馬尿酸 | g/L | 0.5以下 | 0.5超 1.5以下 | 1.5超 |
1,1,1-トリクロルエタン | 尿中総三塩化物 | mg/L | 10以下 | 10超 40以下 | 40超 |
尿中トリクロル酢酸 | mg/L | 3以下 | 3超 10以下 | 10超 | |
N,N-ジメチルホルムアミド | 尿中N-メチルホルムアミド | mg/L | 10以下 | 10超 40以下 | 40超 |
ノルマルヘキサン | 尿中2,5-ヘキサンジオン | mg/L | 2以下 | 2超 5以下 | 5超 |
スチレン※1 | 尿中スチレン代謝物※2 | g/L | 分布報告はいたしません。 | ||
トリクロルエチレン※1 | 尿中総三塩化物 | mg/L | 100以下 | 100超 300以下 | 300超 |
尿中トリクロル酢酸 | mg/L | 30以下 | 30超 100以下 | 100超 | |
テトラクロルエチレン※1 | 尿中総三塩化物 | mg/L | 3以下 | 3超 10以下 | 10超 |
尿中トリクロル酢酸 | mg/L | 3以下 | 3超 10以下 | 10超 |
対象物質 | 測定項目 | 単位 | 分布 | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | |||
鉛 | 血中鉛 | μg/dL | 20以下 | 20超 40以下 | 40超 |
尿中δ-アミノレブリン酸 * | mg/L | 5以下 | 5超 10以下 | 10超 |
鉛のおもな作用は、造血臓器をおかし、血色素合成を障害するのであるが、自他覚所見は多彩である。
職業的に鉛のある環境に曝露して、初期に体内に鉛が吸収されても臨床症状は認められず、諸検査ではじめて鉛によると考えられる生体反応が認められる時期(鉛摂取増量期,代償作用期)があり、次いで、軽度の貧血など集団健診で鉛中毒の症候を認める軽症中毒の時期、さらに進行して昔からいわれる典型的な鉛中毒と診断される時期にいたる。その他、腹部の疝痛(Bleikolik)を伴って急激に発症する型などがあるが、現在、わが国では、古くからいわれる顔面蒼白、鉛縁、伸筋麻痺、鉛疝痛などの典型的症状をそろえた症状をみることは稀である。
鉛貧血はヘム合成と解糖に関連する酵素に作用して血色素合成を障害することによると考えられるが、血球の形態的変化として、好塩基性斑点赤血球は鉛の生体反応としては比較的早く認められるが個体差も著しい。また網状赤血球も出現増加する。しかし、鉛による生体反応で最も早く著明に出現するのはコプロポルフィリン尿である。この鉛中毒時のコプロポルフィリン尿の成因については、佐野(晴)は鉛によるヘム合成の障害よりも骨髄ミトコンドリアによるグリシンからのδ-アミノレブリン酸(δ-ALA)の過剰合成が一義的であると考えている。このδ-ALAの尿中排泄増加は、鉛の生態侵襲によって早期にかつ著明に認められ診断価値が高い。
鉛中毒