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Major BCR-ABL1 ABL1変異解析

  • 検査項目
    JLAC10

    材料
    検体量
    (mL)
    容器
    キャップ
    カラー
    保存
    (安定性)
    所要
    日数
    実施料
    判断料
    検査方法
    基準値
    (単位)
  • 曜日指定
    Major BCR-ABL1 ABL1変異解析
    血液(EDTA-2Na加)
    7.0
    PN7
    冷蔵
    (1日)
    10~14
    ダイレクトシーケンス法

    ダイレクトシーケンス法
    PCR法で増幅したDNAを鋳型として直接塩基配列を決定する方法。

その他の受託可能材料

備考

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凍結保存は避けてください。
受託可能日は月~金曜日です。
検体採取後、速やかにご提出ください。
本検査はMajor BCR-ABL1におけるABL1領域codon 115-486を解析します。他項目との重複依頼は避けてください。本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
造血器腫瘍遺伝子検査のご提出について
検体は採取後、当日中にご提出ください。

Major BCR-ABL1 ABL1変異解析の留意事項
ご提出にあたっては、必ずキメラ遺伝子の存在をご確認のうえ、本項目をご提出ください。
下図の容器に採血し、よく混和させ、冷蔵保存してください。
検体は採取後、当日中にご提出ください。
他項目との重複依頼は避けてください。
本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。

容器

補足情報

臨床意義

フィラデルフィア染色体(Ph染色体)は慢性骨髄性白血病(CML)の90%以上、急性リンパ性白血病(ALL)の約20%の症例で見出される腫瘍特異的な染色体です。9番染色体長腕(9q34.1)に座位するABL遺伝子と22番染色体長腕(22q11.2)に座位するBCR遺伝子との相互転座によりBCR-ABL1キメラmRNAが形成され、チロシンキナーゼ活性の亢進したp210またはp190蛋白質が産生されます。
Ph転座におけるBCR遺伝子の切断点は、major-BCR(下流:M-BCR)とminor-BCR(上流:m-BCR)の2箇所に集中していることが知られています。
日本におけて、イマチニブ(グリベック)の治療適応の疾患として慢性骨髄性白血病(CML)・KIT(CD117)陽性消化管腫瘍(GIST)・フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)があります。
イマチニブ(グリベック)で治療された慢性骨髄性白血病(CML)症例の再発例は全体で年間4%の割合で出現しています。CMLでは、イマチニブ耐性の機序としてBCR-ABL1の増幅、BCR-ABL1キナーゼドメインのアミノ酸変異、多剤耐性の誘導などが報告されています。これらの耐性機序のなかで、臨床上、生命予後との関係が明らかとなっているのがBCR-ABL1キナーゼドメインの点突然変異です。
BCR-ABL1キナーゼドメインの点突然変異は主にphosphate binding loop(P-loop)catalytic domain, activation loopに分かれています。特にP-loopにおける点突然変異が見られた場合、P-loop以外に変異を持つ症例に比べ優位に予後不良です。
また、近年のイマチニブ耐性症例に対するアプローチはイマチニブと化学療法との併用療法よりも新規のABL1チロシンキナーゼ阻害剤ニロチニブ、ダサチニブ(BMS-354825)によるものが注目されています。
ニロチニブは、アデノシン三リン酸(ATP)と競合的に拮抗し、BCR-ABL1チロシンキナーゼを阻害することによって、BCR-ABL1発現細胞に細胞死を誘導します。BCR-ABL1だけではなく肝細胞因子(SCF)受容体のc-kitおよび血小板由来成長因子(PDGF)受容体チロシンキナーゼを阻害します。T315Iを除くイマチニブ抵抗性のBCR-ABL1点突然変異に対しても結合することが可能です。
ダサチニブは、SRCファミリーチロシンキナーゼとABL1チロシンキナーゼを抑制します。経口投与可能であり、イマチニブより低濃度にて抑制し、T315Iを除く点突然変異に対して完全増殖抑制が確認されています。

参考文献

測定法文献
Arghya Ray et al:Blood 109(11):5011~5015,2007.
臨床意義文献
田内 哲三,他:Molecular Medicine 42(8):873~878,2005.

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