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項目コード:☆(旧 ☆)
検査項目
JLAC10
次世代シーケンサーを用いて、膨大な数のDNA断片の塩基配列の決定を、同時並行的に行う方法。
£ 本項目を依頼する際には、あらかじめ依頼システムであるPOLALISアカウントIDを取得してください。
本項目では、プローブ濃縮を行った遺伝子領域に対して、次世代シークエンサーを用いてシークエンスを実施いたします。その後、タンパク質をコードするエクソン領域について、患者の配列からヒトゲノムリファレンス配列(GRCh38/hg38)との違いを抽出し、gnomADデータベースの登録情報をもとに、データベースに登録されていない、またはマイナーアリル頻度が1%未満であるバリアント(SNV、Short Indel)を報告対象とします。さらに、ClinVarデータベースにおけるバリアントの分類について、参考情報として報告書に記載いたします。
凍結保存は避けてください。
他項目との重複依頼は避けてください。本検査方法では、コンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
倫理指針対象(下記参照)
●遺伝学的検査〔WES〕について
本検査は、遺伝学的検査(D006-4)の注2に規定する基準の届出を地方厚生局長等に行った医療機関のみご依頼可能です。
●免責事項
・本項目は、検出困難なバリアントの存在を否定するものではありません。
・UTR領域およびintron領域のバリアントは検出対象外となります。また、モザイクバリアント、およびプローブ濃縮が困難な領域で、重複を除いたリードの冗長度が10を下回る領域のバリアントについては、報告に含みません。
・ClinVarデータベースにおけるバリアントの分類については、検査実施時点でのデータベース上の情報に基づいて作成しており、データベースのバージョン情報は報告書に記載いたします。
下図の容器に採血し、よく混和させ、冷蔵保存してください。
D006-4 02 注2 または D006-4 03 注2
処理が複雑なもの または 処理が極めて複雑なもの
遺伝子関連・染色体検査判断料100点
EDTA-2Na入り (真空採血量7mL)
内容:EDTA-2Na 10.5mg
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から2年
分類 | 疾患名 | 代表的な疾患原因遺伝子 | 保険点数 | 診療報酬区分 | 難病告示番号 |
---|---|---|---|---|---|
知的障害・てんかん群 | ドラベ症候群 | SCN1A、SCN1B、SCN2A、GABRG2 | 8000点 | D006-4(03オ) | 140 |
PCDH19関連症候群 | PCDH19 | 5000点 | D006-4(02エ) | 152 | |
脳クレアチン欠乏症候群 | GAMT、GATM、SLC6A8 | 5000点 | D006-4(02オ) | 334 | |
先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症 | PIGA、PIGY、PIGQ、PIGH、PIGC、PIGP、 PIGL、PIGW、PIGM、PIGX、PIGV、PIGN、 PIGB、PIGO、PIGF、PIGG、PIGZ、PIGK、 PIGT、PIGS、GPAA1、PIGU、PGAP1、PGAP2、 PGAP3、MPPE1、PGAP6 | 5000点 | D006-4(02オ) | 320 | |
グルコーストランスポーター1欠損症 | SLC2A1 | 5000点 | D006-4(02オ) | 248 |
指定難病には臨床症状が類似する疾患が多数存在しており、臨床症状や生化学検査、画像検査の結果に基づく情報のみでは、遺伝学的検査を行うべき指定難病か特定できない場合があります。その結果、指定難病の診断に当たって複数の検査の実施を要し、確定診断まで非常に長い期間を要することがあります。一方、本検査で用いられるWES(Whole Exome Sequence)は、複数の指定難病に係る遺伝子領域を同時に解析することが可能であり、早期の確定診断につながることが期待されております。本検査では、知的障害やてんかんの症状がある症候群について、ご依頼いただいた疾患の代表的な疾患原因遺伝子にあるバリアント情報とClinVarによるclinical interpretationをご報告し、加えて、FASTQファイルを報告いたします。
先天性疾患
測定法文献
Yaldiz B, et al:Hum Genomics 17(1):39, 2023.