現在のラボ:セントラルラボ

項目コード:06823 1(旧 6823 3)
検査項目
JLAC10
リアルタイムPCR
PCR法を基本原理とする核酸増幅法の一種であり、分解により蛍光を発するオリゴヌクレオチドを利用することにより、PCRサイクルごとに蛍光シグナルを確認することでリアルタイムにターゲット核酸の定量が可能となる測定方法。
他項目との重複依頼は避けてください。本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。

滅菌ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
以前、Pneumocystis cariniiによって引き起こされる肺炎は、カリニ肺炎と呼ばれていたが、現在は、ヒトに病原性を持つPneumocystis jiroveciiによって引き起こされる肺炎としてニューモシスチス肺炎として呼ばれている。日和見感染症の一つと考えられており、肺炎を発症する場合の基礎疾患としては、免疫機能の低下した未熟児、栄養不良児、白血病や悪性リンパ腫、自己免疫疾患や臓器移植、AIDSなどがあげられる。特にAIDS患者では60~70%で肺炎が発症している。一般的には多くの人が不顕性に感染しており、免疫機能が低下したときに発症する。
検出方法は他にギムザ染色、トルイジンブルーO(TBO)染色により直接検出する方法、また、肺病変を病理組織学的に診断する方法があるが、いずれも早期に診断するには困難を伴うといわれている。ニューモシスチス肺炎は急速に進展する両側肺の間質性陰影と急激な低酸素血症を特徴とし、適切な治療がなされなければ致死的となることから早期診断が求められていた。
本検査は、高感度で特異性の高いニューモシスチス・イロベチイ(P. jirovecii)DNAの定性検査であり、治療効果判定に有用と考えられる。
測定法文献
Monroy-Vaca EX, et al:J Clin Microbiol. 52(1):45~51, 2014.
臨床意義文献
田坂 定智,他:ニューモシスチス肺炎のすべて 改訂第2版(克誠堂出版):242, 2024.