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RET遺伝子解析 (甲状腺髄様癌)

  • 検査項目
    JLAC10

    材料
    検体量
    (mL)
    容器
    キャップ
    カラー
    保存
    (安定性)
    所要
    日数
    実施料
    判断料
    検査方法
    基準値
    (単位)
  • 倫理指針対象
    RET遺伝子解析 (甲状腺髄様癌)
    血液(EDTA-2Na加)
    2.0
    PN2,PN5
    冷蔵
    (3日)
    17~21

    5000
    ※2
    ダイレクトシーケンス法

    ダイレクトシーケンス法
    PCR法で増幅したDNAを鋳型として直接塩基配列を決定する方法。

備考

&1
凍結保存は避けてください。
RET遺伝子のexon10,11,13,14,15,16を解析しています。他項目との重複依頼は避けてください。
本検査方法ではコンタミネーションの影響がより大きくなりますので、検体採取にあたっては取り扱いに充分ご注意ください。
倫理指針対象(下記参照)

診療報酬

D006-4(02イ)
甲状腺髄様癌
遺伝子関連・染色体検査判断料100点

  • 「遺伝学的検査」は遺伝子疾患が疑われる場合に行うものとし、原則として患者1人につき1回に限り算定できる。ただし、2回以上実施する場合は、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

容器

補足情報

臨床意義

甲状腺髄様癌において、約70%はRET遺伝子に病的バリアントを認めない散発性ですが、約30%は病的バリアントを認める多発性内分泌腫瘍症2型(Multiple Endocrine Neoplasia type2:MEN2)です。
MEN2は、10番染色体長腕に位置するRET遺伝子に病的バリアントを有する、常染色体優性遺伝性疾患の一つで、臨床像や家族歴に基づき、MEN2A、MEN2B、家族性甲状腺髄様癌(Familial Medullary Thyroid Carcinoma : FMTC)の3つの病型に分類されます。RET遺伝子における病的バリアントは病型によって特定の部位に集中しており、MEN2Aはexon 10,11に、MEN2Bはexon16に、FMTCはexon 10,11,13,14,15であり、これらの遺伝子変異は全てミスセンス変異です。
甲状腺髄様癌診断後における本検査の測定は、MEN2及びFMTCの診断や治療方針決定の一助として有用です。
なお、本検査で病的バリアントが認められた場合には、血縁者において同様のバリアントを有する可能性があります。家系内で認められたバリアントと同様の部位を解析し、未発症RETバリアントキャリア(未発症RET病的バリアント保持)を特定することでMEN2、FMTCの早期発見や早期治療に役立てることが可能となります。

異常値を示す病態・疾患

関連疾患

甲状腺髄様癌、多発性内分泌腫瘍症2型 (MEN2)

参考文献

測定法文献
Kihara M,et al:Auris Nasus Larynx 43(5):551~555,2016.
臨床意義文献
櫻井 晃洋:内分泌甲状腺外会誌 32(4):267~273,2015.

関連項目

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