現在のラボ:セントラルラボ

項目コード:00641 9(旧 0641 1)
検査項目
JLAC10
NT(Neutralization test)
中和反応
ウイルスがウイルスに対する抗体との反応により感染性が失われる(中和)ことを利用した方法。
ウイルスと抗体を反応させた後、ウイルスに感受性のある培養細胞に接種し、細胞変性効果(cytopathogenic effect:CPE)の有無により中和抗体の存在を判定する。
下記参照(*NT)
*NT(中和反応):細菌繁殖などにより細胞が汚染され、測定不能になる場合がありますのでご注意ください。
出発希釈 4倍(髄液の測定も可能です。検体量:0.4mL(冷蔵) 基準値:1倍未満 出発希釈:1倍)
D012(11イ)
ウイルス抗体価(定性・半定量・定量)(アデノウイルス)
免疫学的検査判断料144点
分離剤入り (真空採血量9mL)
貯蔵方法:室温
有効期間:製造から1年
ポリスピッツ
貯蔵方法:室温
ヒトアデノウイルスは飛沫感染により伝播し、主な増殖部位は扁桃、アデノイドなどと、気道、小腸、角結膜などの粘膜上皮で、感染によって、限局性の急性疾患を起こし、リンパ組織においては不顕性の潜伏感染を起こす。
1982~93年に我が国でヒトから検出されたアデノウイルスは、臨床症状としては、上気道炎(51%)、角結膜炎(33%)、胃腸炎(18%)のほかに下気道炎、肺炎(6.4%)などが報告されている。血清型では51型まで確認されており血清型と疾患、臨床像との間に一応の傾向がみられるが、感染部位によりいくつかの臨床像を呈する。
急性上・下気道感染症(1~7型)、咽頭結膜熱(3.7型)、流行性角結膜炎(3・7・8・19・37型)と深い関連があるほか、乳幼児下痢症(40・41型)、出血性膀胱炎(21型)などが報告されている。しかし、血清型が特定されていない発疹性疾患、消化器疾患などがある。このような疾患がアデノウイルスに起因するか否かを調べるのが検査の目的である。臨床検査としては症状に応じて咽頭ぬぐい液・眼ぬぐい液、尿などを採取してウイルス分離をおこない血清学的検査として急性期および回復期のペア血清で4倍以上の有意上昇をみとめられた場合に疾患との因果関係を判断することも可能である。
咽頭結膜熱, 出血性膀胱炎, 上気道炎(普通感冒、咽頭炎、クループ), 腸重積症, 乳幼児下痢症, 肺炎, 発疹症, 流行性角結膜炎
測定法文献
国立予防衛生研究所学友会:ウイルス実験学 総論 2版(丸善):260~274, 1973.
臨床意義文献
永武 毅:日本臨牀 57(S3):278~281, 1999.