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○マイクロサテライト不安定性(MSI)検査(リンチ症候群)
項目コード:03894 6(旧 3894 3)
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検査項目
JLAC10 - 材料
検体量
(mL) - 容器
- キャップ
カラー - 保存
(安定性) - 所要
日数 - 実施料
判断料 - 検査方法
- 基準値
(単位)
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マイクロサテライト不安定性(MSI)検査(リンチ症候群)
8C986-0000-075-856 -
未染標本スライド
5~10枚
厚さ5μm - Z10
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- 8~14
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2500
※2
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マルチプレックスPCRーフラグメント解析
複数の標的遺伝子を増幅後、PCR増幅産物をシーケンサーにてキャピラリー電気泳動を行う。
DNAのサイズに応じて分離され、増幅量に応じたピークを専用ソフトウエアーにより設定されたQMVR幅により解析、識別をする方法。
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備考
受託可能日は月~金曜日です。
5種類のマーカー(BAT25、BAT26、NR21、NR24、MONO27)について解析し判定致します。他項目との重複依頼は避けてください。
検査に必要な腫瘍細胞の割合は50%以上です。未染標本スライド提出に際しての留意事項は下記をご参照ください。
●提出条件
未染標本スライドは、病理組織学的な評価がなされ、検査に必要な腫瘍細胞割合(標本中の全細胞に占める腫瘍細胞の%)以上存在することを確認してください。必要な割合に満たない場合には、未染標本スライドの裏面から腫瘍細胞領域をマーキングしてください。 マーキングがされないまま提出されますと、マクロダイセクションができず、偽陰性など判定結果に影響を及ぼす可能性がありますので、あらかじめご了承願います。
なお、マイクロサテライト不安定性(MSI)検査(FFPE)、マイクロサテライト不安定性(MSI)検査(リンチ症候群)の2項目においては、検査の特性上、腫瘍部と正常部を区分する必要性がありますので、必ず腫瘍細胞領域のマーキングをお願いします。
●未染標本スライドについて
採取された組織は速やかに10%中性緩衝ホルマリン溶液に浸漬し、固定を行ってください(推奨固定時間は6~48時間)。ご提出の際には、可能な限り3年以内に作製したホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックより、指定の厚さにて連続切片を作製してください。なお、薄切時には検体ごとにミクロトーム刃を交換するなど、コンタミネーションに充分ご注意ください。また、組織のホルマリン固定により核酸が断片化されているため、固定液の種類や組成、固定時間、固定後の検体の保存状態によっては、解析不可能となることがありますので、あらかじめご了承ください。
●生検標本について
生検標本は検体が微量であることが多く、組織自体がほとんど消失している場合や、腫瘍細胞が含まれていない組織片になっている可能性がありますので、あらかじめご注意願います。
診療報酬
D004-2(01 イー1エ)
固形癌におけるマイクロサテライト不安定性検査
遺伝子関連・染色体検査判断料100点 ◎
- 「悪性腫瘍遺伝子検査」は、固形腫瘍又は悪性リンパ腫の腫瘍細胞を検体とし、悪性腫瘍の詳細な診断及び治療法の選択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った、遺伝子検査について、患者1人につき1回に限り算定する。
- マイクロサテライト不安定性検査については、リンチ症候群の診断の補助を目的とする場合又は固形癌の抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的とする場合に、当該検査を実施した後に、もう一方の目的で当該検査を実施した場合にあっても、別に1回に限り算定できる。
容器
Z10 旧容器記号 t 30
[オブジェクトケース]
プレパラート (スライドグラス)
貯蔵方法:室温
補足情報
臨床意義
遺伝性大腸癌の中で最も頻度が高いものとしてリンチ症候群が知られています。リンチ症候群は、常染色体優性遺伝形式をとり、ミスマッチ修復遺伝子に病的変異を有しています。ミスマッチ修復遺伝子の作用指標の1つとして、マイクロサテライト不安定性検査が有用です。
遺伝性大腸癌診療ガイドラインではリンチ症候群が疑われる患者に対して、2次スクリーニングにてマイクロサテライト不安定性検査を行うことを推奨しており、リンチ症候群の補助診断として有用な検査です。本検査は、高頻度マイクロサテライト不安定性のリンチ症候群の補助として用いられる検査です。
異常値を示す病態・疾患
関連疾患
リンチ症候群
参考文献
測定法文献
Buhand O, et al. :J Clin Oncol. 24(2): 241~251, 2006.
臨床意義文献
大腸癌研究会:遺伝性大腸癌診療ガイドライン 2016年版,各論 Ⅱ リンチ症候群:40~81,2016.