現在のラボ:セントラルラボ

項目コード:05653 1(旧 5653 1)
検査項目
JLAC10
塗抹標本を作製し、下記のオブジェクトケースに入れ、室温保存にてご提出ください。
![[オブジェクトケース] プレパラート (スライドグラス)](../../common/yoki-images/z10.jpg)
[オブジェクトケース]
プレパラート (スライドグラス)
貯蔵方法:室温
| 染色法 | 目的 | 結果 | 備考 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| ヘマトキシリン・エオジン (HE) 染色 | 一般染色 | 細胞核、軟骨、細菌、未脱灰石灰化部-青藍色 (ヘマトキシリン) 細胞質、結合組織、筋組織、赤血球-種々の紅~赤紅色 (エオジン) |
すべての染色の基本染色 |
|||
| エラスチカ・ワンギーソン染色 | 結合組織の染色 | 膠原線維 | 膠原線維-鮮紅色 (酸フクシン)、筋線維、赤血球、細胞質-黄色 (ピクリン酸)、核-黒褐色 (ワイゲルト鉄ヘマトキシリン)、弾性線維-黒紫色 | ワンギーソン染色の単染色で利用されることもあります |
||
| アザン染色 | 膠原線維、細網線維、腎糸球体および尿細管基底膜、粘液、軟骨-青色 (アニリン青) 核、細胞質、筋組織、線維素-赤~紅色 (アゾカルミンG)、赤血球-赤~赤橙色 (アゾカルミンG、オレンジG) | 酸フクシンで染める方法があります |
||||
| ※ | マッソン・トリクローム染色 | 核-黒褐色 (ワイゲルト鉄ヘマトキシリン) 使用する染色液により結果が異なる | 各種の変法があります |
|||
| ※ | レゾルシン・フクシン染色 | 弾性線維 | 弾性線維-黒紫色 | 代表的な染色法、ワンギーソン染色と重染色することがあります |
||
| ※ | オルセイン染色 | 弾性線維、HBs抗原-茶褐色 | HBs抗原染色として利用されることもあります |
|||
| 銀染色 (鍍銀法) | 細網線維 | 好銀線維 (細網線維) -黒色 膠原線維-赤紫色 |
||||
| ※ | リンタングステン酸ヘマトキシリン (PTAH) 染色 | 線維素、神経膠組織 | 横紋筋内横紋、線維素、核-青藍色 神経膠細胞、神経膠線維-茶褐色 |
横紋筋の横紋が染まります |
||
| PAS反応 | 多糖類染色 | 糖原 (グリコーゲン) | グリコーゲン-赤~赤紫色、核-青藍色 (ヘマトキシリン) | 粘液、肥満細胞顆粒、アメーバ、真菌も染まります |
||
| アルシアン青染色 | 酸性粘液多糖類 | 酸性粘液多糖類-青色、核-赤色 (ケルンエヒトロート) | PAS染色との重染色法があります |
|||
| ※ | ムチカルミン染色 | 粘液 | 粘液-赤色、核-青藍色 (ヘマトキシリン) | 上皮性粘液がよく染まります |
||
| ※ | トルイジン青染色 | 粘液・肥胖細胞の顆粒・軟骨基質-赤紫色、核-青 | ||||
| ※ | コンゴ赤染色 | アミロイド染色 | アミロイド-赤橙色、核-青藍色 (ヘマトキシリン) | 過マンガン酸処理によるアミロイドの鑑別があります |
||
| ダイロン (ダイレクトファーストスカーレット) 染色 | アミロイド-橙色、核-青藍色 (ヘマトキシリン) | |||||
| ※ | グリメリウス法 (好銀性染色) | 内分泌細胞の鑑別染色 | 消化管好銀細胞、下垂体好銀細胞、カルチノイド、膵ラ島A細胞、内分泌腫瘍細胞-黒褐色 | ブアン固定も可 |
||
| ※ | フォンタナ・マッソン法 | 消化管銀還元細胞、銀還元性カルチノイド、メラニン細胞-黒褐色 | メラニン細胞の証明にも用います |
|||
| ※ | コッサ法 | 組織内無機物の染色 | カルシウム | カルシウム沈着部-黒褐色 | 貴金属を含む固定液は避けてください |
|
| ベルリン青染色 | 鉄 | ヘモジデリン-青色、背景-淡紅色 (ケルンエヒトロート) | 染色対象はほとんどヘモジデリンです |
|||
| ※ | ルベアン酸法 | 銅染色 | 銅-黒緑色 | |||
| ※ | レフレルのメチレン青単染色 | 組織内病原体の染色 | 一般細菌 | 単染色 | 細菌-濃青色、核、背景-淡青色 | |
| ※ | フッカー・コンのグラム染色 | グラム染色 | グラム陽性菌-濃青色 グラム陰性菌-赤色 |
|||
| チール・ネルゼンの抗酸菌染色 | 抗酸菌染色 | 抗酸菌-赤色、背景-淡い青色 (メチレン青) | ||||
| ※ | グロコット染色 | 真菌 | 真菌-黒色、背景-緑色 (ライト緑) | グリコーゲン、粘液も黒染します |
||
| オルセイン染色 | HBs抗原 | HBs抗原、弾性線維-茶褐色 | HBs抗原は細胞質内封入体または細胞内にび慢性に染め出されます |
|||
| ※ | ビクトリア青染色 | HBs抗原、弾性線維-青色 | 弾性線維染色にも用いられます |
|||
| ※ | ルクソール・ファスト青染色 (クリューバ・バレラ染色) | 中枢神経組織の染色 | 髄鞘、ニッスル小体重染色 | 髄鞘-青緑色 ニッスル顆粒、核-紫色 |
||
| ※ | ニッスル小体・単染色 | ニッスル顆粒-紫色 | ||||
| ※ | 過ヨウ素酸メセナミン銀 (PAM) 染色 | 腎の染色 | 腎糸球体基底膜、細網線維-黒色 | 腎以外多目的に利用されます |
||
| ギムザ染色 | 組織内血液細胞の染色 | 核-赤紫色、核小体-赤色、好酸顆粒-桃紫色 好塩基性顆粒-青紫色~青色 |
ヘリコバクターピロリ菌も染まります |
|||
| ※ | ナフトールAS-Dクロロアセテートエステラーゼ染色 | 白血病細胞の鑑別、 単球の鑑別、FAB分類 |
骨髄球系-赤色顆粒 | |||
当社では、10 ~ 20%ホルマリン固定液を基本として各種染色を行っております。
| 染色法 | 目的 | 結果 | 備考 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヘマトキシリン・エオジン (HE) 染色 | 一般染色 | 細胞核、軟骨、細菌、未脱灰石灰化部-青藍色 (ヘマトキシリン) 細胞質、結合組織、筋組織、赤血球-種々の紅~赤紅色 (エオジン) |
すべての染色の基本染色。 |
|||||||||||||
| マッソン・トリクローム染色 | 結合組織の染色 | 膠原線維 | 核-黒褐色 (ワイゲルト鉄ヘマトキシリン) 使用する染色液により結果が異なります。 | 各種の変法があります。 |
||||||||||||
| エラスチカ・ワンギーソン染色 | 膠原線維 弾性線維 |
膠原線維-鮮紅色 (酸フクシン)、筋線維、赤血球、細胞質-黄色 (ピクリン酸)、核-黒褐色 (ワイゲルト鉄ヘマトキシリン)、弾性線維-黒紫色 | ワンギーソン染色の単染色で利用されることもあります。 |
|||||||||||||
| 銀染色 (鍍銀法) | 細網線維 | 好銀線維 (細網線維) -黒色 膠原線維-赤紫色 |
||||||||||||||
| PAS反応 | 多糖類染色 | 糖原 (グリコーゲン) | グリコーゲン-赤~赤紫色、核-青藍色 (ヘマトキシリン) | 粘液、肥満細胞顆粒、アメーバ、真菌も染まります。 |
||||||||||||
| アルシアン青染色 | 酸性粘液多糖類 | 酸性粘液多糖類-青色、核-赤色 (ケルンエヒトロート) | PAS染色との重染色法があります。 |
|||||||||||||
| ダイレクトファーストスカーレット染色 | アミロイド染色 | アミロイド-赤橙色、核-青藍色 (ヘマトキシリン) | 過マンガン酸処理によるアミロイドの鑑別があります。 |
|||||||||||||
| グリメリウス法 (好銀性染色) |
内分泌細胞の鑑別染色 | 消化管好銀細胞、下垂体好銀細胞、カルチノイド、膵ラ島A細胞、内分泌腫瘍細胞-黒褐色 | ||||||||||||||
| フォンタナ・マッソン法 | 消化管銀還元細胞、銀還元性カルチノイド、メラニン細胞-黒褐色 | メラニン細胞の証明にも用います。 |
||||||||||||||
| ベルリン青染色 | 組織内無機物の染色 | 鉄 | ヘモジデリン-青色、背景-淡紅色 (ケルンエヒトロート) | 染色対象はほとんどヘモジデリンです。 |
||||||||||||
| チール・ネルゼンの抗酸菌染色 | 組織内病原体の染色 | 抗酸菌染色 | 抗酸菌-赤色、背景-淡い青色 (メチレン青) | |||||||||||||
| グロコット染色 | 真菌 | 真菌-黒色、背景-緑色 (ライト緑) | グリコーゲン、粘液も黒染します。 |
|||||||||||||
| ギムザ染色 | 組織内血液細胞 | 細菌-赤紫色、核-赤紫色、好酸顆粒-桃赤色 | 色素のもつ酸性あるいは塩基性性質を利用して、細胞を染色します。ヘリコバクターピロリ感染の補助的検査として用いられます。 |
|||||||||||||
| トルイジン青染色 | 多糖類染色 | 酸性粘液多糖類 | 酸性粘液多糖類-メタクロマジー (赤紫色)
|
|||||||||||||
| ムチカルミン染色 | 中性粘液 多糖類 糖蛋白 粘液蛋白 |
粘液-赤色 |
上皮性粘液がよく染まります。 |
|||||||||||||
| グラム染色 (フッカー・コン法) | 組織内病原体の染色 | 一般細菌 | 陽性菌-青~黒色 陰性菌、繊維素-赤色 |
|||||||||||||
| コッサ法 | 組織内無機物質染色 | カルシウム | 石灰沈着部-黒褐色 | |||||||||||||
| 所要日数 | |
|---|---|
| 脱脂処理・脱灰処理が必要な場合 | 7 ~ 12日 |
| 酵素抗体染色が必要な場合 | 約2週間 |
| 蛍光抗体が必要な場合 | 2 ~ 3週間 |
| 骨髄像が必要な場合 | 約3週間 |
| 専門医による診断が必要な臓器 (皮膚・心臓・口腔等) |
約2週間 |
| 手術材料 (切り出し時、5ブロック以上になる場合) |
2 ~ 3週間 |
| 所要日数 | |
|---|---|
| 脱脂・脱灰処理が必要な場合 | 約3週間 |
| 酵素抗体染色が必要な場合 | 約3週間 |
| 手術材料 (切り出し時、5ブロック以上になる場合) |
2 ~ 4週間 |
病理組織(一般病理)検査は疾病の本態を解明する手段である。すなわち、疾病の原因、発症の機序、病変の拡がり、生体への影響など生命の異常状態を罹患した生体の症状、経過、転帰から観察し、その根拠となる細胞、組織、臓器の変化としてとらえ、診断する。その診断をもって、のちの治療に貢献するものである。当該項目は、病理組織(一般病理)検査工程の一部である。
日本病理学会,編:病理組織標本作成技術(上)(下)初版(医歯薬出版):1981.
病理技術研究会,編:病理標本の作り方(文光堂):1982.
渡辺 慶一,編:酵素抗体法 改訂3版 1巻・2巻(学際企画):1982.
渡辺 慶一,編:病理と臨床2(特集Ⅰ):1399~1486, 1984.
渡辺 慶一, 編:病理と臨床2(特集Ⅱ):1535~1633, 1984.
渡辺 慶一,編:病理と臨床4(特集Ⅲ):243~314, 1986.